ダイオキシンにもどる
t08602#農水省への要請書#99-02
 私たちは、農薬はじめ有害な化学物質のの濫用に反対して活動している市民グループです。
 新聞報道によりますと、貴殿は過日のテレビ朝日の所沢産野菜のダイオキシン汚染報道に関連して、放送法に抵触しないかどうか調査が必要と述べられたとのことです。この発言は、農作物のダイオキシン汚染問題を特定のテレビ局の報道内容批判にすり替えているといわざるを得ません。
 問題の本質は、所沢に限らず、広く日本の農作物がダイオキシンに汚染されているという事実であり、そのことに消費者が不安を覚えているということです。政府のやるべきことは、ダイオキシン汚染をなくすために性根を入れた対策を練って実行することです。
 今回の所沢産野菜ダイオキシン汚染報道をきっかけに、貴省は、農作物中のダイオキシン類の調査をなさるということですが、ダイオキシン類の検出値を知ることだけでなく、その汚染源を知り、規制につなげていくことが重要であると考えます。
 そこで、ダイオキシン調査に関連して、以下の要望をいたします。3月15日までに文書で回答してくださるようお願いいたします。

(T)農薬中のダイオキシン類の含有量について
 現在登録のある農薬だけでなく、いままでに登録されたことのある全農薬
 について、貴省が、ダイオキシン類の含有チェックをした農薬及びメーカ
 ーが農薬の登録や再登録の際に提出する書類にダイオキシン類を含有する
 旨記載されている農薬について以下の点を明かにしてください。
 1)現在登録されているか否かにかかわらず、貴省がダイオキシン類含有
   のチェックをメーカーに指示したか、又は、メーカーから含有する旨
   報告のあった農薬活性成分は何ですか。
 2)上記に該当する農薬の登録番号をすべて、あげてください。登録番号
   を示せないならば、活性成分ごとの登録農薬数をお示しください。
 3)ダイオキシン類の分析については、どのような異性体について、チェ
   ックや報告がなされていますか。
 4)ダイオキシン類を含むことが判明している農薬にについて、すべての
   農薬製剤中の全ダイオキシン・ジベンゾフランの異性体別含有量及び
   TEQを明らかにしてください。個々の製剤について明示できない場
   合は、活性成分毎に異性体毎の含有範囲及びTEQ範囲をお示しくだ
   さい。
 5)貴省がチェックを指示したもののダイオキシンが含有されなかった農
   薬については、個々の農薬製剤又は活性成分名を挙げて、ダイオキシ
   ン分析における検出限界値を示してください。
 6)いままで、貴省の指示によりメーカーに分析結果を提出させるだけで
   は、ダイオキシン類の含有チェックが不十分なことは、先に環境庁の
   報告により、7塩化ダイオキシンの存在がはじめてわかり、メーカー
   が製造をやめたPCNBの例をみてもわかります。そこで、メーカー
   による分析でなく、より詳細なダイオキシン含有チェックを塩素を含
   むすべての農薬活性成分及び添加成分について実施することが望まれ
   ます。貴省が、独自に、塩素含有農薬中のダイオキシン類の有無をチ
   ェックするようお願いします。

(U)農作物中のダイオキシン類の分析ついて
 1)検出されたダイオキシンが農薬由来のものか、他の発生源に由来のも
   のかが判明できるような調査を実施してください。特に、農薬中に含
   まれるダイオキシンの農作物汚染の実態を調査してください。
 2)数値の公表にあたっては、TEQだけでなく、その算出の元になるダ
   イオキシン・ジベンゾフラン・コプラーナーPCB及び全ダイオキシ
   ン・ジベンゾフラン含有量を個々の異性体毎に、その検出限界値とと
   もに公表してください。

(V)ダイオキシン汚染地域での農業・酪農業規制について
 農作物のダイオキシン類汚染が、農薬以外の発生源から、非意図的におこ
 る場合については、個々の農作物について残留基準を決めて、規制するこ
 とは困難だと考えます。
 そのため、現在、すでにダイオキシンで汚染されている土地については、
 農耕地や牧草地としての使用をを禁止するための基準を設けること。また、
 基準以下でも、周辺にダイオキシン発生源があり、将来にわたって汚染が
 継続する恐れがある場合は、その発生源をなくすることが不可欠であると
 思いますが、これらの点に関して貴省のお考えお示しください。

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作成:1999-02-28