農薬の毒性・健康被害にもどる
t09605#アメリカでクロルピリホス規制の動き#99-11
 アメリカのEPA(環境保護庁)は、有機リン系殺虫剤であるクロルピリホスについて、1996年の食品品質確保法(FQPA)により、新たな毒性評価が行なわれることになっていましたが、この10月にだされた報告で、同剤は人や野生生物に悪影響を与えることが明らになりました。
 居住地区での使用による危険性や、職業的散布者の被害が特に懸念されており、274件の健康被害訴訟が起こっているとのことです。さらに、
1)調査された成人の82%、子供の92%の尿から痕跡のクロルピリホスが検出された。
2)多くの魚毒事件が発生している。たとえば、モテルで防蟻剤として使用された同剤が、近隣の小さな湖を汚染し2000匹のブルーギルが死んだ。
3)同剤のクリスマスツリー栽培地での空中散布や芝生での使用は、鳥や魚などの野生生物に影響を与え、野鳥の死亡事件もおこった。
 などのことから、EPAはクロルピリホスの被曝基準を低くし、その使用を減らそうとしています。
 一方、メーカーのダウ・アグロサイエンスは、この報告には 多くの誤りや遺漏があると反論しています。
 環境保護団体EWGらは、以前からクロルピリホスの禁止を求めていますが、日本でも、シロアリ防除剤として広く使用され、人体被害の訴えの多い同剤は使用禁止されるべきです。

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作成:1999-12-21