室内汚染・シロアリ駆除剤にもどる
オリジナル情報は Bandursban.org EPA(アメリカ環境保護庁) ダウケミカル社
日本での健康被害を告発する『床下の毒物シロアリ防除剤』

t10301#アメリカで、シロアリ防除剤クロルピリホスの使用が禁止に!#00-06
 6月8日、アメリカのEPA(環境保護庁)は住宅及び商用建物での殺虫剤クロルピリホス(商品名ダーズバン)のほとんどすべての使用を禁止する等の発表を行ないました。
 その目的は、神経毒性のある有機リン系殺虫剤クロルピリホスの健康被害をできるだけ減らす−特に影響を受けやすい子供を守る−ことにあり、以下の点でEPAとメーカーのダウとの間で合意がなされました。これらは、ノミ殺虫剤やペット用薬剤、塗料添加剤などの販売が自粛された97年1月の合意事項(てんとう虫情報68号参照)をさらにすすめたもので、アメリカでの環境保護団体の運動の成果だといえます。

@食品からの摂取の危険を減らす。特に、トマトへの使用を禁止し、リンゴとブドウの残留基準をさげる。
A住宅での危険を減らす。室内外用のクロルピリホスを含む製品の製造・販売・使用の多くを禁止する。シロアリ防除剤としての使用を段階的に禁止する。
B飲料水からの摂取の危険を減らす。これは、住宅の使用中止で、改善される。
C非住宅地区での危険を減らす。特に、子供が被曝する恐れの多い公園などでの使用を禁止する。
D労働者の危険を減らす。散布回数・量を減らしたり、散布農民の散布後立入禁止期間を延ばす。
E公衆衛生のための使用は継続する。
F危険性の少ない非農耕地での使用は継続する。
G在庫製品の回収は命じない。

 最後の項について、有害物質を市場に放置しておくことになるため、アメリカの環境保護団体は不満を示し、クロルピリホスを含む製品を直ちに小売店から撤去することを要求しています。

★合意内容と実施期限
 合意内容とその実施期限をもう少し詳しくみてみましょう。
@農業用途での規制−トマトへの使用は禁止に
  子供の食べることが多く、残留の認められる作物が規制の対象になっており、2000年12月31日を猶予期限として、トマトへの使用は禁止、リンゴへの使用は、開化前に限られることになります。また、リンゴとブドウの残留基準が低減されることになっています。
 その他の作物については、使用は認められるものの、散布後の立入制限期間の延長など被曝の低減化がはかられます。
A家庭での使用規制−シロアリ防除剤は禁止に
 合意事項によると、クロルピリホスを含む殺虫剤の芝生や戸外での使用、ひびや割れ目・その他室内での使用については、製剤製造が2000年12月1日以降、製剤業者による販売が2001年2月1日以降、小売店での販売が2001年12月31日以降できなくなります。
 また、シロアリ防除剤については、人の住んでいる既存住宅への全面使用が上記と同様の期限で中止されますが、局所的な使用は2002年12月31日以後、また、新築住宅への使用は2005年12月31日以後、というように段階的に中止されることになっています。
 しかし、日本の場合、新築住宅への使用だけでなく、隣近所のシロアリ防除剤処理によっても被害がでていることを考えれば、このような段階的禁止のやり方は問題です。さらに、室内クロルピリホス汚染についていえば、合板用の接着剤に使われる恐れがあることも心配されます。
B非住宅地域での使用規制
 子供の出入りの多い学校や公園のような住宅以外の場所でのクロルピリホス殺虫剤の使用も上と同じ期限で製造や販売が中止されます。
C継続される非農耕地や公衆衛生上での使用
 子供に安全な包装形態の毒餌などへの使用は居住地区でも認められるほか、子供が被曝される恐れのない室内外での使用−例えば、ゴルフコース、道路分離帯、工場プラントなど−は、散布量の削減がめざされるものの、継続されます。また、非建築用木材(垣根の支柱、電柱、木製コンテナー、加工木製品)への使用も現行通り。火アリの塚や蚊の駆除など公衆衛生に関連する薬剤の使用も専門家に限って認められるようです。

★日本でもクロルピリホス含有シロアリ防除剤は使用禁止に
 日本では、クロルピリホスは農薬及びシロアリ防除剤として使用されています。
農薬の生産・輸入量は表−省略−のようになっています。98年の製剤生産量は約500トンで、ダーズバンという商品名で知られています。
 シロアリ防除剤としての生産量は明確ではありません。日本白あり対策協会は、多くのクロルピリホスを含有する防除剤を認定薬剤としており、商品名としては、レントレク、アリコロパーCP、アリノックCP、アリハッケンCP、カヤタック、クロルピリック、ケミガード、シロアリピリホスほかがあります。シロアリ業者がすすめる薬剤の中にこれらがあったら要注意です。

表 日本でのクロルピリホス系農薬生産量:省略

 私たちは、シロアリ防除剤としてのクロルピリホスの健康被害が、多発しているため、既に、97年7月、原体メーカーのダウエランコ、三共(株)などの製剤メーカー、建設大臣、厚生大臣、日本しろあり対策協会、健康住宅研究会あてに、クロルピリホスの製造・使用の中止を求める要望書を提出しましたが、その後、クロルピリホスの使用は減少しているというもののいまだ、続いています。
 上述の合意事項には、クロルピリホス含有製剤の販売・使用禁止措置が、アメリカ国内に限定されることがうたわれています。
 わたしたちは日本国内でも、クロルピリホスの使用禁止を求めて、再度、行政・業界関係に以下の要望書を送りました。

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★ダウ・ケミカル日本株式会社宛
 2000年6月8日、アメリカ環境保護庁(EPA)は、クロルピリホスの使用禁止を含む規制を発表しました。アメリカ国内ではかねてからクロルピリホスの危険性が指摘され、特に子供を守るために早急に使用禁止するよう求められていました。EPAと製造メーカーであるダウ・ケミカル社は97年1月にクロルピリホスの規制に関して合意し、同社は10項目の自主規制をすることになっていましたが、今回、より厳しい規制をすることで合意したこと、及び、規制内容については、当然、ご承知のことと思います。
 私たちは、97年6月、シロアリ防除剤クロルピリホスの使用中止を求めて貴社に要望と質問状を出しました。貴社からの回答は「より環境に配慮した製剤への転換の促進」と「防除業者への安全指導」の2点で、クロルピリホスの使用中止に言及せず、非常に不満足なものでした。
 今回、アメリカでの住宅内でのクロルピリホスの使用禁止(当然、シロアリ防除剤も含まれる)を受け、日本でも、クロルピリホスを含むシロアリ防除剤及び、生活環境で使用される可能性のあるクロルピリホスを含む製剤の製造・販売・使用を直ちに中止するよう強く要望いたします。子供、老人、病人など化学物質に抵抗力のない人々が日常的に生活する場でのクロルピリホス使用は直ちに中止するべきです。
 また、市場にでている上記製剤の回収を行うよう要望いたします。製造したものはすべて売り尽くしてから販売を中止するなどもってのほかです。

★厚生大臣宛
 私たちは97年に厚生大臣にクロルピリホスの使用中止を求めて要望書を提出いたしました。その結果、シロアリ防除剤の室内汚染に関して実態調査が行われていると聞いております。今回、アメリカでのより厳しい規制はもはや、実態調査などでは対応できず、直ちにクロルピリホスを含むシロアリ防除剤の使用禁止をすべきと思われます。
以下、質問と要望にお答えください。

1,アメリカでクロルピリホスを含む薬剤の使用規制措置がとられたことに鑑み、日本でも、同様な措置がとられるべきと思いますが、どう考えられますか。
2,クロルピリホスを含む薬剤のシロアリ防除剤及び防疫用薬剤、家庭用殺虫剤としての使用を禁止し、製品を回収すべきと思いますがどう考えられますか。
3,クロルピリホスを含む製剤の毒性について使用者に周知徹底させるべきと思いますが、どう考えられますか。
4,外国からのクロルピリホス原体及び製剤の輸入及び日本からの製品の輸出をやめるべきと思いますが、どう考えられますか。
5,トマト、リンゴ、ブドウをはじめとする農作物に対するクロルピリホスの残留基準の見直しを行なうべきと思いますが、どう考えられますか。
6,クロルピリホスによる健康被害の実態調査と行政・業界による治療法の確立を求めるべきと思いますが、どう考えられますか。

★建設大臣宛
 今回のアメリカでのクロルピリホス規制強化を機に、白対協を強力に指導し、クロルピリホスの防蟻剤としての認定を取り消させ、シロアリ防除剤の規制を強化することを強く求めます。

★日本しろあり対策協会宛
 私たちは1997年に貴協会あてに、クロルピリホスのシロアリ防除剤としての認定の取り消しを要望しました。しかし、貴協会は当時のアメリカでの規制が日本国内での使用用途と違うとの理由で、認定取り消しを拒否しました。
 今回のアメリカでの規制内容はシロアリ防除剤の禁止がはっきり示されており、前回のようないいわけはできません。それよりも重要なことは、未だに、日本国内でシロアリ防除剤による健康被害が続いていることです。一刻も早く健康被害をなくすために、とりあえず、早急にクロルピリホスを含むシロアリ防除剤の認定取り消しを行うよう、強く要望します。
 また、現在、防除業者が所有しているクロルピリホスを含む製剤の回収も行ってください。
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作成:2000-06-25