行政・業界の動きにもどる
t10505#無登録「農薬」の危ない販売実態- 消費者団体が調査#00-08
 ガーデニングの流行とあいまって、最近、「非農耕地用」と称する農薬登録のない「薬剤」の販売が目につきます。これらは法規制がないために安全性を誇張した表示品が多く、放置は危険です。神奈川県内の2つの市民団体がこの問題を調査したところ、問題のある販売実態があきらかになりました。

★わかりにくい表示−相模原市南部地区消費者の会調べ
 市内のある大型ホームセンターで売られる農薬類の成分・説明表示・農薬登録の有無を中心に調べたところ、126種類もの製品が売られ、うち15商品が無登録「農薬」であることがわかりました。
 以下問題点を列挙すると、
・説明表示の文字が小さすぎて読みづらく理解できない。特に「登録農薬」の文字は米粒より小さい。
・小びんのラベルは絵巻物状になっていて、これをはがさなくては表示内容がわからない。品選びの目安にはならない。
・説明表示に安全性を誇張した商品が多い。
 「人・ペット・環境にやさしい」など安全性の誇張は無登録「農薬」に多く、登録農薬では「ラウンドアップ・スプレー」だけが「人・ペットにやさしいアミノ酸系除草剤」と表示していました。こうした表示は「除草剤をまいたところに乳幼児や犬を遊ばせても安全」と消費者に解釈される危険があり、早急に改めるべきです。
 また、NAC(カルバリル)は、松枯れ予防の空中散布用農薬としては登録が失効したにもかかわらず、不快害虫用として6種類売られていることもわかりました。
 今回の調査は店内での書き取りを了承いただいた店舗で行いましたが、調査申し入れを断った他の店舗では、無登録品の派手な販売が続いています。
 今回の調査を元に、販売実態の把握や規制を県に要請する考えです。

★農薬取締法に抵触する疑いも−環境を考える会の調べ
 県中西部を中心に無登録除草剤の表示と販売方法をホームセンター18店舗、農協4店舗、園芸店1店舗について調べました。
 その結果、表示では「安全・安心・環境・やさしい」といった、使用者が安易な取扱いをしかねない表示を容器やパンフレットに記載した商品が8種類見つかりました。
 このうち、もっとも極端なものは「バイオングリホサート」((株)バイオン、広島市)で、「子供やペットが遊ぶお庭にも安心して使えます」というものでした。
 また、無登録の薬剤は農薬取締法で農業用途に使用・販売してはならないのに、これに抵触する疑いのある販売が3店舗で見つかりました。
 写真1は店頭のPOP表示ですが、農業に使えるラウンドアップと成分・使用法・効能が同じ事を示し、3倍以上の価格差を強調して無登録品バイオンの購買
を誘っています。この店では農薬売場を2つに分けていますが、農業用途に使えない無登録品は、一般園芸コーナーではなく農業資材コーナーで売られ、農業者の利用を暗に求めていました。
 また、薬剤による誤飲事故が毎年続くなか、これを防ぐための着色がされていないものが無登録品に5種類ありました。
 こうした結果を元に、県に安全対策や取締りを要請していく予定です。

 昨年の県交渉では、農業振興課は「無登録薬剤は所管でないので指導できない」と回答しています。一方、消費者保護を担当する消費生活課は、予算の削減でほとんど機能せず、他の課題も含めて宿題となったままです。
 無登録薬剤は出荷流通量が把握されず、行政の指導がない「放し飼い」状態です。事故が起きる前に早急な規制が求められています。 (新巻圭)
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作成:2000-09-25