街の農薬汚染にもどる
t11107#ニューヨーク:西ナイル脳炎対策のスミスリン散布と州法#01-02
 99年の夏、アメリカ・ニューヨーク市で、西ナイル脳炎ウイルスによると思われる死者が7人でて、大きな騒動になりました(記事t09606)。この年は、ウイルスを媒介する蚊を退治するためマラチオンの散布が実施されたのですが、昨年は特に、感染者や死者が増えたとの情報はありません。
 ニューヨーク市をはじめとする東海岸地区で、今年散布されたのはアンビルという合成ピレスロイド系殺虫剤(活性成分フェノトリン=スミスリン)でした。
 この薬剤散布により1000万人以上が被曝したと推定されています。日本でも、フェノトリンはハエ・カ・ゴキブリ・ダニなどの殺虫剤としてULV乳剤Sがあるほか、スミスリンパウダーとして学童の頭シラミ駆除に使われています。
 フェノトリンには、環境ホルモン作用があり、かって、薬剤をかけられたハイチ難民の男性に乳房が膨らむという現象がみられたのは、男性ホルモンであるアンドロジェンの受容体に妨害作用をしたためと考えられています。
 ニューヨーク市での散布に際しては、電話相談に約200件のコールがあり、なかには、直接体にかけられた女性が視覚のぶれ、吐き気、かゆみ、舌の浮腫などの症状を訴えた例もあったそうです。
 浜松医科大学の渡部さんによりますと、ニューヨーク州では、農薬使用近隣通知法という州法が昨年8月に発効したそうです。この法律は次の規定があるとのことですので、西ナイル脳炎対策の薬剤散布については、どうなのか、気になるところです。

● 農薬通知の義務化は、2001年3月1日からNY市と各郡で選択できる。
● 学校や保育所は農薬を使う場合、親や職員に情報を提供しなければならない。これは州全体で強制される。

● 選択した場合
○ 農薬使用場所の150フィート以内にある財産所有者に、48時間前に書面で農薬使用通知しなければならない。
○ ある広さ以上の場所に農薬を使った場合、旗を揚げなければならない。
○ 墓や農業は除外される。
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作成:2001-03-23