農薬の毒性・健康被害にもどる
t11108#アメリカでダイアジノンが段階的禁止に
 アメリカのEPA(環境保護庁)は、昨年12月5日、有機リン系農薬から子供を守るための政策の一環として、クロルピリホスにつづき、殺虫剤ダイアジノンについても、段階的に禁止することをメーカーとの合意の上で決めました。これは96年に成立した食品品質保護法(FQPA)に基づく措置です。
 アメリカでは、ダイアジノンの75%が家庭内やその周辺で使用されているということで、まず、子どものことを考えての規制が優先して実施され、野鳥の保護も視野に入れた規制へと進んでいくようです。

 ダイアジノンの室内向け製品の規制は今年の3月から始まり、2002年末に販売禁止となります。環境保護団体や消費者団体は、すぐにでも店頭から製品を撤去するよう求めています。
 芝地や庭、その他非農耕地向け屋外用製品の製造は2003年6月末まで、販売は同年8月末までとなっており、2004年末までに全面禁止となります。
 農耕地用の農薬については、全面禁止ではなく、現行の70%程度の使用が継続されるようです。

 日本では、ダイアジノンは、農薬としての国内原体生産量1474、輸入100トン、単製剤生産量6280/複合剤638トン(各99年)で、有機リン系殺虫剤として、ナンバー3の座を占めています。農作物への残留が明かになっているほか、大気や雨水、水道水に検出されたとの報告もあります。また、ダイアジノンがハエ・カ・ゴキブリ・ダニ等の駆除剤として、身近でも使われていることも気になります。
 日本でも、有機リン剤について、使用自粛がはじまったシロアリ防除剤クロルピリホスに留まらず、総合的な規制が必要だと思います。防虫畳などにも使用されているフェニトロチオン(スミチオン)をターゲットにしていかねばならないでしょう。
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作成:2001-02-23