環境汚染にもどる
t12005#フランス:除草剤アトラジン禁止へ#01-10
 フランスの農水省は、9月末、除草剤アトラジの使用を禁止を決めました。出荷の認可の取り消しは2002年9月30日から適用され、2003年6月30日以後は、最終使用者による使用が禁止されるとのことです。欧米諸国では、以前からアトラジンの水系汚染が問題となっていましたが、農業情報研究所のホームページによると、今回のフランスの決定は、主として次の三つの根拠によるそうです。
 第一に、採取された地表水の40%、地下水の25%が処理を必要とするほどに、これらが広い範囲で検出されることである。
 第二に、フランス食品安全機関(AFSSA)の健康リスク評価が、明白な発癌リスクは確認していないものの、これらが1リットルあたり、幼児については0.4μg以上、子供については0.6μg以上、大人については2μg以上含まれる水は消費しないように勧告していることである。
 第三に、これらの除草効果が落ちていることである。それは許可される使用量が減らされていることともに、雑草の側にもこれらに対する抵抗性が現れていることによる。

 アトラジンはトリアジン系除草剤で(同系のCAT=シマジンは「水質汚濁性農薬」に指定されている)、日本では、65年に登録されており、畑地や芝地、非農耕地の一年性雑草に適用されています。99年度の原体輸入量が43.7トンあるほか、製剤75トンも輸入されていおり、水和剤の生産量は34.2トンです。
 アメリカのEPA(環境保護庁)は、ヒトに対して発ガンの恐れのある農薬としてあげていますし、アフリカツメガエルの実験で、雌雄同体やメス化が認められたとの報告があり、環境ホルモンの疑いもあります。
 横浜市環境科学研究所の1996年度の市内河川水の調査では、アトラジンが71%の検出率で、最大0.22μg/l(平均0.04μg/l)検出されました。また、環境庁が98年7月に採取した水質の調査では、アトラジンの検出率は2.4%で、最高値は島根県斐伊川、石川県大聖寺川の0.09μg/lでした。土壌調査で、検出されたのは、岩手県20、埼玉県18μg/kgの2検体でした。
 環境監視研究所の中地らの調査では、大阪府大津川河川水に0.046(99年6月採取)、大阪府大和川で0.066(2000年3月採取)μg/l検出されただけでなく、府営水道水にも0.061μg/L(2000年3月採取)見出だされています(環境監視73号p−7、2000年)。

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作成:2001-11-25