農薬の毒性・人体汚染にもどる
t12306#鹿児島県加世田市で、クロルピクリン被害92人#01-12
12月11日朝、鹿児島県加世田市(現南さつま市)の万世小学校で、児童や教職員92人が次々と目の痛みを訴え、眼科医や小児科医の治療や検査を受けるという事件が発生しました。
 前日、学校近くのタバコ畑に農家が注入した土壌くん蒸剤クロルピクリンが気化、風に流されて学校付近に漂ったためとみられています。
 同市農林水産課によると10日午後、たばこ農家が、学校から南東へ約150m離れたタバコ畑約1.2haに、約100klのクロルピクリンを土中約20cmに施用しましたが、注入後、覆土、ビニールシート被覆、封水するという使用方法を守らなかったのが、原因と考えられています。当日、乾燥注意報が出されていたことも、事態を悪化させたようです。
 12日には、クロルピクルリン濃度を測定、校舎内や校庭、タバコ畑など合計11ヵ所で、すべて0.1ppm以下の数値だったことを確認した上、畑の散水も継続したということです。この日は、被害を受けた児童らのうち、64人が引き続き目やのどの異常を訴え、病院で治療を受けたものの、快方にむかっているというのが、せめてもの救いです。
 鹿児島県経営技術課は、県経済連や県たばこ耕作組合などの農業団体、県内九十六市町村の農薬担当部署などに周囲の人や家畜の被害防止策として、(1)土中への薬剤注入後は、気化ガスの拡散を防ぐため地面にビニールシートを張る。(2)土壌が乾燥しているときは散布しない―などの使用上の注意を順守するよう求める文書をだすとともに、県農林水産事務所の農薬担当者を集めて緊急対策会議を開催しました。
 それにしても、使用方法として、住宅地の100m以内で使用しないことを求められ、厳しい注意書きがあるにもかかわらず、クロルピクリン事故は跡をたちません。事故防止にはさらなる使用規制の強化しかないようです。(出典:南日本新聞、西日本新聞)
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作成:2002-01-25