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t12704t#農林水産航空事業の実施について
<平成13年10月25日付け13生産第4543号 農林水産事務次官依命通知>
#02-04
   1、趣旨     農林水産業における航空機の利用は、水稲、畑作、果樹、森林等の病害虫防除    のほか、播種、施肥、森林管理の諸作業、農林水産業における各種調査等農林水    産業の各分野に及んでいる。     このような航空機を利用して行う事業(以下、「農林水産航空事業」という)    については、農薬、肥料、種子等の空中散布及び農林水産業における物資の輸送    (以下「空中散布等」という)を通じ、農作業の効率化及び低コスト化に大きく    寄与するとともに、危害防止に配慮した安全かつ適正な運営を図ることが求めら    れていることから、その実施体制、実施方法等について定めることとする。    2,実施体制の整備及び情報の収集・提供     農林水産航空事業における諸作業について、組織的な実施を図るとともに、そ    れにより生ずるおそれのある危害の防止に配慮して、国、都道府県、市町村、関    係団体等が相互に連携しつつ実施体制の整備を図ることが望ましい。     また、農林水産航空事業は、季節性が強い上に、地域によって航空機の供給に    不均衡が生じていることから、上記の関係機関は、それぞれの役割分担の下、航    空機の運行状況等、事業の実施に必要な情報の収集及び提供に努めることによ    り、その円滑な実施を図ることが望ましい。    (1)国    農林水産省に各部局の関係各課から成る農林水産航空事業の推進に関する協議    会を設けるものとし、農林水産航空事業の推進に関し関係各部局の連絡及び調整    を図るものとする。     また、生産局長は、毎年事業開始前に全国の当該事業に関する計画をとりまと    め、公表するものとする。    (2)地方    ア、都道府県段階においては農林水産業者等の関係団体その他関係各機関から成    る都道府県農林水産航空事業対策協議会(以下「県対策協議会」という)を設    け、農林水産航空事業に関する総合的計画の樹立及び実施並びにイの実施主体が    定める事業計画の把握を行い、事業実施の円滑かに努めるものとする。     なお、都道府県知事は、事業の円滑化を図るため、県対策協議会の指導に努め    ることが望ましい。    イ、農林水産業における航空機の利用は市町村等の範囲を超えて行われる場合が    多いので、空中散布等の実施主体(以下「実施主体」という)は、円滑な実施及    び危害防止を図るため、事業実施地区ごとに地区対策協議会を組織し、行政及び    指導関連各機関との密接な連携の下、事業計画の立案及び実施の円滑化に努める    ものとする。    (3)関係団体     農林水産航空事業の効率化及び危害防止対策を目的に技術開発等の事業を行っ    ている社団法人農林水産航空協会(以下「協会」という)は、全国の農林水産航    空事業の実施に関する情報を収集し、その適正な実行に資するため事業関係者に    情報提供するとともに、必要に応じて技術的助言を行う等事業実施の円滑化に努    めるものとする。    3,事業実施及び指導     県対策協議会長は、事業の円滑な遂行を期するため、実施主体及び航空業者等    が次の事項を遵守するよう指導に努めるものとする。    (1)空中散布等の実施    ア、実施主体にあっては、空中散布等の実施に先立ち、契約により燃料その他必    要な資材等を航空業者等から送付され、その保管を依頼された場合は、事故防止    に努めること。また、散布資材等は、周到な計画に基づいて準備すること。    イ、基地ヘリポート及び現地ヘリポートの設定に当たっては、飛行及び作業の安    全性の確保、作業能率の向上、周囲に対する農薬等の影響及び騒音等を考慮して    設定すること。    ウ、あらかじめ、散布地区の境界、散布除外箇所、飛行上の障害となる物等を明    記した実施区域の地図を作成すること。    エ、ウにより作成した地図に基づき散布地区の境界、散布除外箇所、飛行上の障    害となる物等を確認するため、地上及び空中から調査を行うこと。    オ、散布地区の境界、散布除外箇所、飛行上の障害となる物等については、必要    に応じて標識を設置すること。    カ、作業を効率的かつ円滑に実施するため、散布資材等の運搬、積み込み及び危    害防止対策等の作業分担を決めた実施組織を編成すること。    キ、ヘリポートにおいて散布資材等の積み込み作業に従事する者に対して、整備    士の指示に従って行動することを徹底させること。また、実施主体にあっては、    労働者災害補償保険に加入するよう努めること。    ク、空中散布の実施に当たっては、別紙で定める実施基準に従って行うこと。    ケ、散布を必要とする区域で、空中散布ができない区域については、地上散布班    を準備する等同一時期に散布を行えるよう配慮すること。    (2)危害防止対策    ア、空中散布においては、毒性の強い農薬等を使用しないこととするが、作業の    性格にかんがみ、危害防止に万全を期すること。特に、次に掲げる建築物等につ    いては危害の生じないよう配慮するとともに、予防措置を講ずること。     (ア)公衆衛生関係(家屋、学校、交通機関、水道、井戸、水源、洗たく物、     作業員の飲物、衣類等)     (イ)畜蚕水産関係(家畜、家きん、魚介類等水産動植物、蚕児、はち群等)     (ウ)他作物関係(防除対象以外の農作物等)     (エ)野生動植物関係(天然記念物等の貴重な野生生物)    イ、実施主体及び航空業者は、空中散布を行う場合に誠意をもって危害の防止に    努めるものとし、両者の契約の締結の際にその旨を契約条項に明示すること。    ウ、実施主体は、あらかじめ空中散布の実施予定日、区域(見取図を添付する)、    薬剤等の種類及び数量について実施区域の市町村、保健所、農業関係機関(病害    虫防除所、地域農業改良普及センター及び家畜保健衛生所)、林業関係機関(森    林管理署、林業試験場、林業事務所等)、水産関係機関、葉たばこ産業等の関係    団体に連絡するとともに、隣接市町村の関係機関等に対しても通知すること。    エ、実施主体は、実施区域の学校、病院等の公共施設及び居住者その他の関係者    に対して次の事項について周知徹底を図り、十分協力を得るよう努めること。     @散布予定日時、区域、薬剤の種類等の事業内容     A普通の健康状態でない人は、散布直後のほ場において農作業に従事しないこ      と及びその他危害防止を図る上で必要な事項。    オ、実施主体は、天候等の関係で散布予定日時及び時間を変更するときは、その    旨を直ちに関係機関に連絡するとともに、地域住民に対して周知すること。    (3)散布効果等の調査     実施主体は、次の調査を実施して、その記録を整備しておくよう努めること。    ア、空中散布の合理的実施に資するために行う空中散布の効果調査    イ、危害防止の観点から必要に応じて行う市街地等人口密集地帯に接近した区    域、地形の複雑な区域等の境界周辺における散布飛行状況及び散布除外区域にお    ける薬剤等の飛散状況の調査。    4,農林水産航空技術の合理化     協会が主体となって、農林水産航空事業における生産性向上技術及び危被害の    未然防止技術の開発及び改善等農林水産航空技術に関する研究を推進し、農林水    産航空事業の円滑な実施に資するものとする。    5,国の助成     国は、協会が農林水産航空事業における農林水産航空技術の合理化等、農林    水産航空事業の安全かつ円滑な推進に要する経費に対し、予算の範囲内において    助成するものとする。    (別紙略)

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作成:2002-03-25