環境汚染にもどる
t14705#4800トンを超える廃農薬が回収された#03-11
 昨年の無登録事件以前から、農家手持ちの廃農薬についてその処理が問題となり、は自治体や農協が、独自に回収を実施していましたが、その実態がこのほど明かになりました。
 佐藤謙一郎衆議院議員の質問主意書に、政府が答えた資料によると、98〜02年度の5年間に回収された廃農薬の都道府県別数量は、表に示したようです。4800トンを超える農薬が回収され、そのうちPOPs系農薬(BHCは含まれず)が約2トン、ダイオキシン含有農薬(表中dxn含農薬と記載)が約97トンでした。自治体や農協、地域の処理協議会などが中心になって回収したもので、処理経費の負担については、どうなっているか不明です。
 回収された廃農薬は、産業廃棄物処理業者などにより、主に焼却処理されていると思われますが、POPs系やダイオキシン含有農薬については、処理方法が決まるまで、厳重保管されるべきでしょう。なお、農薬メーカーらが回収したダイオキシン含有農薬は、PCP製品回収センターが52177kg、PCNB製品回収センターが44132kg、三井化学が102137kgとなっています(いずれも他団体から譲り受けたのもを含む)。

    【参考資料】佐藤謙一郎議員提出の質問主意書政府答弁書

★法律で回収制度を
 H15年改定農薬取締法では、第九条の二(回収命令等)が新設され、7月1日から施行されています。この条文は
『農林水産大臣は、販売者が前条第一項若しくは第二項又は第十四条第三項の規定に違反して農薬を販売した場合において、当該農薬の使用に伴つて第三条第一項第二号から第七号までの各号のいずれかに規定する事態が発生することを防止するため必要があるときは、その必要の範囲内において、当該販売者に対し、当該農薬の回収を図ることその他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。』となっており、
 農水省が販売禁止した農薬についてのみ、回収を命ずることができるだけで、登録失効や期限切れの農薬については、特に、回収は義務づけられていません。
 私たちは、登録の有効・失効を問わず、期限切れ農薬についても、回収を義務づけ、製造・販売者の責任で、しっかりした回収システムを作ることを求めましたが、実現しませんでした。
 農水省も、農薬使用基準に「有効期限を越えた農薬の使用は行わないよう」にという努力規定をいれているのですから、その実効性を挙げるためにも、法律に基づいた回収制度を作るべきです。

  表 都道府県別回収農薬量(単位:kg、1998〜2002年度)−省略


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作成:2004-4-26