農薬の毒性・健康被害にもどる
t14905c#北海道:タンチョウがMPPで急性中毒死か#04-01
 2002年10月5日に北海道女満別町の網走湖畔で営巣していた雌雄各一羽のタンチョウが近くの河川敷と農地で死んでいるのが見つかりました。国立環境研究所で、死因を詳しく調査したところ、胃の内容物から、有機リン剤のMPP(フェンチオン)が790と920ppm検出されたことが判りました。これは、タンチョウの体重1kg当たり6.5及び6.7mgの摂取になるそうです。

 MPPは鳥類に対する毒性が強く、88年に石川県松任市で、空中散布後ツバメがつぎつぎ異常死したのは、散布されたMPPなどによると考えられています。タンチョウの場合も、もMPPの急性中毒によると思われ、北海道ではアズキやジャガイモの栽培に使われるため、これらをエサとして摂取した可能性が否定できません。
 なお、有機リン剤の規制のすすむアメリカでは、メーカーのバイエルが2004年6月末で、MPPの製造・販売を中止することになっています。

 【参考資料】東北海道地区自然保護事務所発表

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作成:2004-4-26