環境汚染にもどる
t15303#臭化メチル、全廃年来てもまだ使い続けると・・モントリオール議定書締約国会議で決まる#04-10
1992年のモントリオール議定書締約国会議で、臭化メチルがオゾン層破壊物質に指定され、2005年の生産、消費の全廃が決められていました。しかし、最近になってまたぞろアメリカはじめ先進国が全廃延期を画策し、雲行きが怪しくなっています。
臭化メチルは、常温では気体で、殺菌・殺虫剤として土壌くん蒸、検疫くん蒸などに使用されてきました。急性毒性が強く、劇物に指定されています。
92年のモントリオールでの会議では1991年を基準年にして削減計画が決められましたが、日本では91年の生産量が8046トンから突如9164トンに変更されるという操作がなされました。
その後、代替技術が開発されていますが、十分とは言えません。それどころか、規制を見越したJA広島が、この4月に臭化メチルの在庫一掃のため割引販売をして問題になっています。
★2005年の例外使用は13,438トン
今年3月24日から26日にかけて、カナダのモントリオールで「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書特別締約国会合」が開かれ、前回、継続審議となっていた先進国における臭化メチルの例外使用量が決められました。
全廃どころか、13000トン以上も代替物質がないなどの理由で「不可欠用途」として認められたものです。特にアメリカは9000トン近い量を使おうとしています。オゾン層破壊が待ったなしの状況にあるのに、国際的に合意されたスケジュールや数値をごり押しで踏みにじるブッシュ政権に同国の環境保護団体も反対の声を上げています。
会議で認められた量は以下のとおりです。なお、これは2005年だけに限ったものです。
アメリカ 8942トン
イタリア 2133
スペイン 1059
フランス 407
日本 284
ギリシャ 186
オーストラリア 145
イギリス 129
カナダ 56
ポルトガル 50
ベルギー 47
★日本の内訳
日本は5番目に多い284トンの申請を行い、全部認められました。その内訳は
○土壌消毒用 メロン 94.5トン スイカ 71.4
ピーマン 74.1 キュウリ 39.4
○ポストハーベスト用
栗(クリシギゾウムシ) 4.6トン
です。土壌消毒用だけでなく、栗の収穫後にポストハーベスト使用が認められていることに疑問を感じます。なお、検疫くん蒸は削減計画そのものからはずされています。
【参考】環境省報道発表資料(04/03/29)
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作成:2004-10-25