食品汚染・残留農薬にもどる
t15408b#徳島県では殺菌剤プロシミドンの違反が次々と#04-06
4月に明かになったは、徳島県で殺菌剤プロシミドンにかかわる三つの違法使用です。  まず、5日JAあなんが、特産のハウス・スダチに残留基準0.5ppmを超えるプロシミドンが検出されたとして、出荷を一時停止し、回収に踏切ました。
 8日には、JA板野郡がニンジンに適用外農薬フェトフェンカルブ・プロシミドンの混合剤(スミブレンド)を使用したということで、3月に出荷したニンジンにプロシミドン0.16ppmが検出されたことを発表し、出荷停止、自主回収に、さらに15日に、JA名西郡が、サラダゴボウに、適用外のスミブレンドを使用していたことを公表、出荷停止と自主回収に乗り出しました。
 いずれも、殺菌剤プロシミドン(スミレックス)が関係しています。この薬剤は、動物実験で、男性ホルモンのテストステロン増加が認められ、環境ホルモンの疑いがあります。塩素含有物質で、いままでの残留調査でも、結構高い数値で検出されていました(たとえば、東京都衛生研究所の調査では、アオジソに28ppm、ミツバに16ppm検出された)。
 プロシミドンの残留基準と使用時期は以下のようになっています。
    農作物名        使用時期 残留基準
   その他カンキツ  開花期  0.5ppm以下
   イチゴ      前日  10ppm
   キュウリ、ナス  前日  5ppm
   トマト      3日    5ppm
   レタス、ピーマン 7日    5ppm
   ニンニク    植付前   5ppm
     タマネギ       前日     0.5ppm
 ゴボウ、ニンジンは適用外(そのため残留基準は設定されいない)であるため、農薬取締法違反です。残留基準がないため、食品衛生法では、流通を規制できませんが、今回、農協が出荷停止、自主回収を行ったのは、風評被害、信用低下を恐れたためでしょう。  スダチ(2月16日から4月1日までに採取)でプロシミドンが検出されたのは、26検体中24検体で最大検出値は2.8ppmでした。この数値は、前頁に示した残留基準のイチゴの10ppmやキュウリ、トマト、ナスなどの5ppmに比べて低い値ですが、その他のカンキツ類の0.5ppmを超え、食品衛生法違反となったのは全体の80%21検体ありました。それにしても、、イチゴが前日まで使用可で、残留基準が10ppmというのも合点できませんね。

問題のスダチ(ハウス栽培)の適用は開花期までとなっており、結実して、果実が成長するまでに、3ヶ月以上かかります。そんな、はやい時期に散布したものが、収穫時に残留基準以上に検出されたのは何故か、使用方法が果たして守られていたのかが問題となります。
 徳島県は 『県は「植物防疫指針」を作成しており、農家はこの指針を守って農薬を使用しています。 この指針は、農林水産大臣が認めて登録した使用基準どおりに作ってあり、今回、なぜ残留基準を超過したのか、現在、原因究明に努めているところです。』としています。
 徳島県とJAグループは、「残留農薬に係る対策会議」を発足させ、
   ・スミレックスの使用を当面中止しています。
   ・残留基準値を超過した原因の究明に全力をあげています。
   ・県内市場での農薬残留検査を実施しています。
 等の対応措置を示しています。
 わたしたちは、スダチについて、徳島県に質問したところ、気象要因、当該農薬に関する基礎データ、農薬散布等栽培管理状況、農薬残留状況等の調査、分析を進めており、原因が明らかになった時点で公表するとの、回答を6月19日にもらいました。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2004-9-25