農薬の毒性・健康被害にもどる
t16107#横浜市で住民10人がクロルピクリン被害#05-01
 2004年11月30日早朝、横浜市保土ヶ谷区の農家が住宅地に隣接した農地にあるビニルハウス(約880m2)で、トマト栽培のため、クロルピクリン(三井化学製ドロクロールを25リットル使用)による土壌処理作業を実施しました。翌12月1日夜、風下10mにある民家から眼や喉が痛むとの通報があり、9名が病院で治療、うち1名の方が3日間入院し、また、次の日には別の民家の方1名が受診するという被害がでました。
 農家はクロルピクリンの土壌注入後、ビニルシートで被覆し、ハウスの天窓と側窓、出入口を閉鎖したとのことですが、シートの端が土に埋められていなかったなど被覆が不完全な上、ハウスの側面の一部に隙間があり、気化したクロルピクリンが周辺に漏れでたのが原因だと考えられています。
 県では、2003年3月ににタブロイド判の「分かりやすい農薬の取締法改正の手引き」を、04年1月にはポスター、チラシ「農薬を正しく使いましょう」を作成配布するなど、農業改良普及センターが中心となり、農家への改正農薬取締法の周知と農薬適正使用の指導を行ってきたそうです。
 また、「近隣の環境に配慮した農薬散布に関する指針(ガイドライン)」をだしている横浜市は、02年11月、市内の農家全戸にチラシ配布をし、その後も広報や講習・研修会を通じて周知していたとのことで、当該農家も農薬を減らす工夫もし、防除記録も記載していたようですが、今回の散布については、周辺への告知はなされていませんでした。  県と市は、土壌消毒剤については、クロルピクリンの使用を中止するよう指導したそうです。

 【参考サイト】クロルピクリン工業会のHP
    厚生労働省:廃棄物処理事業におけるクロルピクリン中毒の防止について

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作成:2005-04-24