食品汚染・残留農薬にもどる
t17004#JA新あきた出荷のシュンギク・ナシに適用外農薬検出#05-10

9月末から10月にかけて、秋田県JA新あきたで適用外農薬が検出され、農薬取締法違反が発覚しました(秋田県報告)。

★シュンギクは適用外農薬使用
 そのひとつは、シュンギクに、適用のないエトフェンプロックスが12とアセタミプリド4.7、トリフルラリン0.01各ppmが検出されたことです。これらを使用した生産者は、農薬取締法違反で、罰せられることになりますが、今のところ告発されていません。
 シュンギクは、秋田市保健所がJA新あきたの南流通センターから収去したもので、公的分析ですが、現行食品衛生法で、残留基準があるのは、トリフルラリンの0.05ppmだけで、これはクリアーしており、あとの二農薬は基準がないため、法的には流通規制を受けません。ただ、今回は、消費者に安全・安心を届けることをモットーにしているJAが、信用失墜を気にして、自主的に販売中止しました。

★ナシはドリフト農薬検出、ブドウは使用時期違反
 さらに、同保健所の収去検査で、ナシ(豊水)から、適用外のアセフェート0.07ppmとその代謝物メタミドホス0.009ppmが検出されました。
 ナシでの同剤の使用記録はなく、隣接のブドウ園で使用したアセフェート剤がドリフトしたものであることがわかりました。同時に、ブドウについては、収穫30日前までに散布という使用時期違反が判明しました。
 いずれも、現行食品衛生法では、違反がないため、法的な流通規制はとられませんが、ブドウの農薬取締法違反は明かであったため、JA新あきたは、一時的に野菜・果樹全品目の出荷を停止しました。その後,同JAは、9品目27検体から適用外農薬が検出されなかった/出荷予定の栽培履歴をチェックしたが、農薬使用基準違反はなかった/全出荷予定者から適用農薬以外は使用しない旨の誓約書が提出された、として、15日から出荷を再開しています(JA新あきたのHPにあるお詫び安全宣言)。
 農薬の適用が正しかったかどうかは、使用記録を記載しておれば、分析をするまでもなく、帳簿で判明することで、出荷に際して、農協がそのチェックを怠たったことは否めません。

★厚労省のポジティブリスト制度では、農薬摂取量は増大
 ところで、シュンギクのアセタミプリドの暫定基準をみてみると、厚労省案は、適用がないにも拘らず、第二葉菜類の登録保留基準を採用して基準を5ppmと設定しています。私たちの主張−適用のない農作物には基準を設定しない−が実現すれば、一律基準0.01ppmが適用されるはずで、秋田の検出値4.7ppmは、食品衛生法違反となり、法的に流通規制ができます。しかし、厚労省のポジティブリスト制度では、このようなシュンギクの流通は可能となり、私たちが摂取する農薬総量を増やすことになります。
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作成:2006-01-28