反農薬東京t17504

t17504#東京都北区豊島５丁目団地の一部、「ダイオキシン土壌汚染対策地域」に指定#06-03

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　３月６日、東京都知事は、ダイオキシン土壌汚染で問題になっている北区豊島５丁目団地の一部を、ダイオキシン類対策特別措置法（以下、特措法という）による「土壌汚染対策地域」に指定しました。昨年12月の北区の要請後、都環境審議会の指定答申が先月13日でたのを受けての決定でしたが、ダイオキシン濃度が1000pgTEQ/g以上の地点が団地内随所（図(b)中×印）にみられたのにも拘らず、指定を受けたのは、北区保有地である豊島東小学校（図(b)中のＡ）、豊島東保育園（同Ｂ）、東豊島公園（同Ｃ）の３個所のみでした。指定地域については、今後、区や住民の意見を聞いて、処理計画がたてられることになります。

★都市再生機構の無責任な言い分
　一方、都市再生機構の保有地については、特措法による指定はなされませんでした。同機構は、２月８日の都環境審議会水質土壌部会に下記のような意見を提出しています。
　まず、『当団地は住宅戸数が約5000戸と大規模な団地であり、約1万人の居住者が生括し、保育園や児童館を利用する区民、団地内賃貸施設の経営者や利用者も多数いる団地であります。現在、当機構では、このような団地の特性を踏まえ、ダイオキシン類と併せて確認された重金属等汚染への対策措置として、居住の安全を図るため、団地全域において植栽地、遊び場など土壌が露出している部分について法令に基づく対策（原則として覆土50cm）を、平成18年6月未を目途として実施しているところであります。』と述べ、対策として、汚染土壌の掘削なしの覆土処理しか提示しませんでした。
　さらに『地域指定の有無に関わらず、土地利用を変更することなく団地を存続する方針であり、多数の方が現に居住している団地においてダイオキシン類により汚染された土壌を掘削除去することは技術面及びリスク管理面から極めて困難であり、現在実施中の覆土対策により汚染土壊の直接摂取リスクは遮断され、安全面から見てもこの対策がダイオキシン類対策にもなると考えております。』としました。
　本来なら環境基準を超える土地に住宅を建設することはできないはずなのに、このまま団地を存続するという発想はどこからでてくるのでしょう。そもそも、30年前とはいえ、有害物質の埋設調査もせず、団地を建設した責任をどう感じているのでしょう。図(a)の1950年代の工場配置図をみてください。隅田川沿いに舌のように出た工場の跡地全体に団地が建設されているのです。
　意見は『汚染地域であるというマイナスイメージに伴う風評被害など、賃貸住宅経営面だけではなく、周辺地域を含めた地域全体に及ぼす影響も極めて大きいと懸念されるところであり、慎重な検討をお願いしたいと考えているところであります。』とつづきます。
　どうやら、都市再機構が自らの利益のため、空きがでれば、新たに賃貸者を募集して、経営を続けていく魂胆のようです。

★覆土では解決しない
　団地住民の健康調査や疫学調査の実施もないまま（住民の希望者約150人のダイオキシン・重金属検査として、採血が実施されたのは２月18、19日で、結果は秋頃に判明という）、よく、まあ、住み続けてよいといえるものです。
　ダイオキシン濃度が環境基準を超える場所は、人が住み、生活する場所としてふさわしくないということを、機構は、認めた上で、対策をとるべきです。
　地震や水害がおこれば、ダイオキシン汚染が拡大する恐れもあります。確実なことは、10年か20年後に、耐用年数がきたら、建物の建て替えがなされるということです。その時は、覆土だけではすまされません。汚染土壌の入れ替えをせず、難分解性のダイオキシンを封印処理しただけでは、そこに新たな団地を建設できないことは、はっきりしています。
　結局、今、抜本的に浄化をするか、後の世にまわすかだけの違いです。その間、健康への影響を受けるのは、そこに住んでいる人であるということを忘れてはなりません。

【参考資料】北区のHPにあるダイオキシンの頁

　　　　　　福島区議のHPにある
　　　　　　　豊島５丁目団地のダイオキシン類等の土壌汚染問題について

　　　　　　そね都議のHPにある
　　　　　　　豊五団地ダイオキシン類等の土壌汚染問題について

【その後の動き】
　　2006/04/19：
      平成17年度北区豊島地区ダイオキシン類等健康調査中間報告書 
 　　　         中間報告書全文

　　2006/06/08：
      北区プレスリリース（59万pgTEQ/gの土壌汚染発覚)
　　　福島区議のHPより東豊島公園（南）西側の土壌汚染調査の結果報告について

　　2006/06/12:
　　　北区豊島ダイオキシン類等健康調査重金属（鉛・砒素）測定結果についての住民説明会、個別相談

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作成：2006-06-26