農薬の毒性・健康被害にもどる
t17905#児童・生徒の農薬被曝事故2件#06-07

 新潟市と広島県庄原市の学校で、児童・生徒の農薬被曝事故がおこりました。その経緯を教育委員会や市に問い合わせた結果を以下にまとめました。

★新潟市で児童8人がマラソン被曝
 新潟市松浜小学校では、5月15日午後、5年生の児童8人が、有機リン系殺虫剤マラソンを被曝しました。インゲン豆を植える理科の授業中に、見学していた児童のうちひとりが、図工室の窓際においてあった園芸用農薬噴霧器を遊びがてら、噴射したところ、被曝した8人の児童が「喉が痛い,気分が悪い。」という症状を訴えたということです。救急車で、新潟市民病院及び新潟大学付属病院に移送されましたが、6人は「検査結果異常なし」との診断を受け、その日のうちに帰宅。2名は経過観察のため入院しましたが,翌日「観察結果異常なし」との診断を受け、退院しました。
 問題の農薬噴霧器には、家庭園芸用の有機リン剤マラソン50%乳剤の希釈液がはいっていたということですが、鉢植え植物や庭木に発生したアブラムシ退治のために使用した残りのようです。このような事件の再発防止のため、同市教育委員会は、安全点検をきちんとし、薬品類は鍵のかかる部屋や戸棚に保管し、厳重に管理するとしています。
 しかし、新潟市では学校内の樹木害虫駆除や除草,衛生害虫駆除のため,農薬等の使用は、各学校長のの判断にまかされており、薬剤を購入している学校もあるとのことでしたので、市長宛てに、市内小中学校での樹木への農薬散布状況を調査の実施、定期散布の中止、「住宅地等における農薬使用について」の農水省通知などの遵守を求める要望を送りました。

★広島・庄原市で中学生らがクロピク被曝
 庄原市では、6月20日午後、市のゴミ処理施設であるリサイクルプラザで、不燃ごみ等をダンピングボックスへ投入する作業をしていたところ、液体の入ったビンが割れ、内容物が飛散して、周囲にいた作業員4人とちょうど職場体験にきていた中学生が目に異常を感じるという事故が起こりました(中学生は医院で洗眼治療を受ける)。破損したビンには、クロルピクリンが入っていたということで、ほかにも、同じ容器がありましたが、製剤の登録番号までは、明らかになっていません。庄原警察署は、毒劇法違反で捜査するそうです。
 農薬容器が、廃棄物中に混入したための人身事故が後をたたず、05年1月28日には、厚労省より「廃棄物処理事業におけるクロルピクリン中毒の防止について」の通知がでています。
 庄原市では、いままで、このような事故はなく、再発防止のため、リサイクル施設では、以下の措置をとったそうです。
  ・施設の受入へ危険物等の啓発看板を貼り付け
  ・受入窓口において、氏名等の聞取り及び危険物等の確認
  ・収集車両へ危険物等の再徹底
  ・広報等により再発防止の啓発
  ・オフトーク放送等による再発防止の呼びかけ
  ・危機管理体制の確立及び職員・作業員の安全教育の充実

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2006-10-26