環境汚染にもどる
t18801#農作物、ミツバチ、魚介類他の被害100件〜農薬事故等に関する都道府県へのアンケート調査より#07-04
 反農薬東京グループは、昨年11月から12月にかけて47都道府県に農薬による事故や不法投棄などに関してアンケート調査を行い、沖縄県を除く46都道府県から回答を得ました。
  前号で、農薬による人の事故野鳥や犬・猫の中毒死事件をまとめて報告しましたが、今回は農作物、魚、ミツバチなどへの被害と農薬空中散布による被害例を報告します。
 この項に関する質問は「農薬の散布又は誤用、その他の事故に伴う農作物、家畜、蚕、蜜蜂、魚介類に対する被害が発生していますが、それぞれについて、2001年度から2005年度の貴県での発生状況を教えて下さい」でした。2001年から2005年までに起こった事故が対象になります。

★事例なしは16県だが
 「事例なし」「把握なし」と回答したのが以下の16県でした。
     宮城、栃木、東京、神奈川、山梨、富山、石川、福井、
     滋賀、奈良、兵庫 岡山、山口、島根、徳島、宮崎
 これらの県には立派な対策があって事故がなかったのだとは言い切れません。単に把握していないだけかもしれません。むしろ、きちんと事故を把握している自治体の方が実はよくやっているのではないかという気さえします。

 「事例あり」と回答したのは以下の30道府県です。( )内は回答の被害対象と件数。
      北海道(大豆1)、青森(ニワトリ1)、秋田(ミツバチ1:野菜2:魚1)
      山形(魚1)岩手(水稲1:農作物1:ミツバチ1)、福島(魚1:水稲3)
      新潟(魚3:水稲1)、茨城(自動車5:梨2:水稲5:野菜2)、群馬(魚4)
      埼玉(魚2)、千葉(柿1)、静岡(魚4)、長野(魚3)、岐阜(柿1)
      愛知(水稲1)、三重(水稲2)、京都(野菜1:水稲1:ミツバチ1)
      大阪(魚1)、和歌山(魚2)、鳥取(水稲6:大豆2:魚3)、広島(水稲1)
      香川(農作物6)、愛媛(魚1)、高知(農作物2:魚2)、福岡(農作物1)    
            長崎(農作物2)、佐賀(農作物:2)、大分(野菜1)、熊本( 魚5:水稲1)
      鹿児島(魚9)
 上記100件を@農作物の被害、A魚・ミツバチその他の被害、B農薬空中散布による被害にわけて、それぞれ表にしました。できるかぎり県からの回答通りに記しました。そのため、農薬名に商品名や一般名が混在していますがご了承下さい。

  表1 農産物の被害(合計47件。水稲26件、大豆4件、野菜10件、果樹4件、不明3件)−省略−

 農作物の被害では、グリホサート、プリグロックスなどの除草剤によるものが35件(74.5%)ありました。福島県では、JRが散布した除草剤が水田などに飛散し損害を与えた事故が02年に1回、04年に2回も起こっています(記事t15604記事t15707参照)。

 また、鳥取県では2002年に各地でベンチオカーブ、ペンディメタリン、メフェナセットなどの混合除草剤による被害が8件ありました。水稲の被害では誤って育苗箱に使用した例が3件もありました。殺虫剤や殺菌剤と間違えて除草剤を苗に散布したのでは、枯れるのは当然でしょう。容器にわかりやすい表示がないのでしょうか。
 クロルピクリンによる事故も相変わらずありました(6件:12.8%)。

 表2  魚・ミツバチその他の被害(合計45件。魚42件、ミツバチ2件、鶏1件)−省略−

 魚やミツバチ、家禽などの被害の回答をまとめました。多いのはフナ、ウグイ、ハヤなどの川の魚です。他にウナギ、ドジョウなどが大量死しています。魚の死因で多いのは、有 機リン剤が19件、エンドスルファン(=ベンゾエピン、商品名:マリックス)が10件でした。県別で9件あった鹿児島では¥、5件が有機リン系薬剤の疑いが強いとされていますが、特定されていません。DMTP、ダイアジノン、クロルピリホスも名前は挙がっていますが、「疑い」とされています。唯一、PAPだけが、原因と断定されています。
 ミツバチの被害は岩手と京都で報告されています。2005年までの被害例ですので、岩手と山形で2006年に起こったミツバチ大量死は除外されています(記事t18106d記事t18206)。また、原因も岩手県の報告では「クロチアニジンの疑い」としか言っていません。ミツバチの死骸からクロチアニジンが検出されているのに、まだ、「疑い」としか言わない県の姿勢を問いたいと思います。また、03年5月に、熊本県で2件あったミツバチ被害は同県の回答にはみられませんでした(記事t17005記事t17105e参照)。

 表3 空中散布による被害(合計8件。自動車5件、野菜1件、果樹1件、ミツバチ1件−省略−

 空中散布による事故が秋田と茨城から報告されています。秋田では2001年にミツバチ343群がへい死しています。原因農薬はMEP(スミチオン)です。2005年にはアスパラガスが収穫中止になっています。茨城ではほとんどが自動車の汚染です。こうした事故はもっと多数あるはずですが、把握されていないようです。
 また、空中散布時の大気中の農薬汚染で健康被害を受ける人はけっこういるのですが、これらは無視されているか、報告が県まで上がらないのか、1件もありませんでした。空中散布での事故はあくまで物損だけです。

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作成:2007-04-28