農薬の毒性・健康被害にもどる
t19104#MEPとDEPが試験対象に〜吸入毒性評価手法確立調査部会が決定#07-07
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 環境省は飛散リスク検討会ともうひとつ、吸入毒性評価手法確立調査部会も開催しています。この調査部会は今年から始まったものですが、私たちは公開するよう強く求めていたところ、6月5日に公開で第1回目が開催されました。
 この会議では、7人の部会メンバーが決まりましたが、化学物質過敏症の専門家である坂部貢北里大学薬学部教授も委員になっています。
 吸入毒性試験として、07 年度は、街中での使用が多い有機リン系殺虫剤のMEP(フェニトロチオン、商品名スミチオンなど)及びDEP(トリクロルホン、商品名ディプテレックスなど)が選定されています。農薬は、登録に際して、「90 日間反復吸入毒性試験」の実施が求められています。この2農薬について、データの提出が免除されていたとすれば、農薬行政の怠慢といえますし、脳・神経系や免疫系、生殖系などへの有機リン剤等の毒性について、最近の知見を踏まえて、新たに動物試験が必要ならば、本来、農薬メーカーに実施させるべきものです。
 部会資料にある文献では、ラットの亜急性吸入試験で無影響量(NOEL)はMEPで7mg/m3(4週間曝露)、DEPで12.7mg/m3(3週間曝露)となっています。90 日間の試験を新たに行う場合、実験動物における毒性発現の指標を何にするかで、無影響量の数値が異なってきます。子どもの脳・神経系への影響や化学物質過敏症の発症を動物実験で、どう評価するかという問題もあります。最近の知見を踏まえた毒性評価が、ぜひとも必要です。

★評価手法についての論議  −省略−
【参考資料】環境省農薬吸入毒性評価手法確立調査部会
      第一回(平成19年6月5日) の資料議事概要
      第二回(平成19年8月9日) の資料議事概要
      第三回(平成20年3月11日)の資料


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作成:2007-10-27、更新:2008-03-19