環境汚染にもどる
t19204#青森県つがる市で、道路除草剤ラウンドアップによる農作物被害#07-08
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【参考資料】ラウンドアップハイロードとMSDS、ラウンドアップマックスロードとMSDS
農薬危害防止月間中の6月に、青森県つがる市で、県が散布した道路除草剤により、農作物被害が起こりました。
★ラウンドアップ剤が散布された
青森県は、07年度の道路管理事業として、除草剤を用いた道路除草を3つの地域県民局内で延べ約99km実施する計画を立てていました。このうち、農作物被害が問題となったのは、西北地域県民局がつがる市内の県道など31km(道路両端に散布するケースもあり延べ43km)で実施した除草剤散布の結果です。
散布状況図
同県民局鯵ヶ沢道路河川事業所は6月4日から14日かけて、道路の雑草駆除を目的に除草剤散布を実施しました。指名競争入札で選ばれた活ノ藤鉱業が、契約金額1207.5万円(うち薬剤散布に係る経費は、92.158万円)で作業を請負いました。使用された除草剤は、ラウンドアップハイロード(グリホサートアンモニウム塩41%含有液剤)25Lとラウンドアップマックスロード(同カリウム塩48%含有液剤)175Lでした。
★除草剤は110m先まで飛散した
6月18日に、稲の葉枯れや生育の遅れといった農作物被害の通報がありました。21日に、県、市、農協、全農等により関係機関会議が開かれ、その後、現地調査や、被害耕作者への謝罪と個別説明が行なわれました。
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当グループの質問に対する7月31日の県回答によると、被害状況は、被害面積:水稲(6.2305ha)、大豆(0.42ha)、小麦・インゲン・枝豆(0.2825ha)/被害農家数:70戸で、『道路から50mの範囲が全体の約88%、50mを超える範囲は約12%となっており、うち最大は110mとなっている。(風の影響により、被害範囲は水田に対し斜めに発生している)』とのことです。
県は『除草剤散布について、各路線とも歩車道境界ブロック周辺のみに限定し、路肩散布を禁止するなど、飛散対策を指示したものですが、風等の影響により周辺の農地に飛散し農作物に影響を与えたものと思われます。 』としていますが、散布業者には『薬剤の散布は歩車道境界ブロックの部分に限定して散布すること、及び路肩部には決して散布しないこと。風の強い日は散布しないこと。 』を口頭で指示しただけで、散布に際して、県職員は随行していませんでした。
★被害補償は約5000万円に
報道によると、被害を受けた農家への補償は、風評被害防止のための稲の鋤きこみ費用を含め約5000万円になるとのことです。
散布業者との契約書には、『工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、乙(受託業者)がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害のうち甲(青森県)の責めに帰する理由により生じたものについては、甲が負担する』とありますが、それぞれの配分はどうなることでしょう。もとはといえば、県が『除草剤による道路除草工は、通常の機械除草工と経済比較すると、およそ2分の1程度の経費に抑えられる』として、当該地区では、今年初めて実施されたものですが、高い授業料になったようです。
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作成:2007-11-26