食品汚染・残留農薬にもどる
t19205#JAとぴあ浜松出荷のパセリでMEPら残留基準違反#07-08
【参考資料】静岡県の報道資料(07/05/21)

 本年2月に発覚した栃木県産イチゴのホスチアゼート残留基準違反が収束したのもつかの間(記事18803参照、この件で農水省へ質問・要望書を出したが回答なし)、今度は、パセリの残留基準違反が浜松市で発覚しました。

★収去検査でMEPが16.1ppm残留
 5月12日、浜松市保健所は、JAとぴあ浜松が5月7日に出荷したパセリの収去検査(158種の農薬成分分析)の結果、殺虫剤MEP(フェニトロチオン)16.1ppm(残留基準0.01ppm)と殺菌剤ミクロブタニル1.38ppm(基準0.03ppm)が検出され、食品衛生法違反で、回収を命じたと発表しました。JAは、11日より、パセリの全量回収と自主的な出荷停止措置をとりました。
@該当農薬を購入した事実の確認及び使用後の空ビンの確認、購入数と在庫数の確認、A散布用タンクの残液検査(高濃度の農薬成分を検出)、B当該農家本人の供述などが調査され、その結果、パセリに適用がないスミチオン乳剤70(フェニトロチオン70%含有)800倍液とラリー乳剤(ミクロブタニル25%含有)4000倍液を混用散布したという農薬取締法違反が明かになりました。また、県の立入検査で、農薬使用履歴の記載を調べたところ、ラリー乳剤を使用したにもかかわらず、殺虫剤モスピラン水和剤使用とのうその記載があり、結局、この生産者は部会を退会しました。
★ひとりだけでなかった残留基準違反
 JAは、パセリ部会の全員について、残留分析を実施しましたが、138人の10.9%にあたる15人のパセリ検体で、MEPの残留基準違反がみつかりました。検出範囲は0.02-0.37ppmで、検出濃度別件数は以下のようでした。
 検出範囲 0.02 0.03 0.05 0.06 0.08 0.09 0.14 0.37ppm
 検出数   6  2   1   1     1     1     2     1
 これらのケースでは、農薬取締法違反はなく、MEP残留の原因は防除器具の洗浄不足だと結論されました。同じ部会の多くの生産者が、これほど、まとまって、不適正な散布をしていたのはどういうことかと、首をかしげざるを得ません。再発防止策としては、農薬適正使用講習会の実施や自主点検のほか、JAの職員による防除器具の洗浄状態、農薬使用記録簿の記帳、農薬保管庫の現物点検を実施、全生産農家に農薬適正使用誓約書を提出させることなどが挙げられています。

★パセリには残留基準違反が目立つ
 ほかの産地でも、パセリの残留基準が違反事例がみられました。
 名古屋市の収去検査で、3月18日に遠州中央農協が出荷した静岡県森町産のパセリにダイアジノン2.3ppm(残留基準0.1ppm)残留していることが判明、同県西部保健所は4月8日に、当該生産者に回収を命じました。県は『並列してハウス栽培されていたミズナに散布された農薬が、パセリに吸収されたことにより発生したものであり、パセリに直接使用されたものではない。』としています。
 また、6月8日には、JA香川県の自主検査により、トリアジメホン6.7ppm(残留基準1ppm)が検出され、回収と出荷中止を発表しています
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作成:2007-11-26