行政・業界の動きにもどる
t19207#投稿:「週刊朝日」「アエラ」の抗菌印刷を止めさせよう(日消連関西グループ)#07-08
 今年2月から、朝日新聞社は「週刊朝日」「AERA」の表紙と裏表紙に、"雑誌業界初の抗菌印刷"を始めました。昨今の抗菌加工ブームはさまざまな製品に広がり、目に余ります。"ついに雑誌まできたか"と暗澹たる思いです。折りしも、厚生労働省は6月1日、「コクヨS&T」が製造・販売した抗菌デスクマットを使用した人がアレルギー皮膚炎を発症する事例が581件あったと発表。内40例は長期治療が必要でした。同社は販売を中止、リコールをしています。
【関連資料】厚労省:デスクマットの使用に伴う重大製品事故について
      コクヨのお詫び(06/10/11)

 日消連関西グループでは朝日新聞に抗菌印刷をやめるよう要求し、質問を重ねました。
★抗菌印刷を開始した理由について
 「病院や銀行など不特定多数の人が手にする場所では、雑誌表面に雑菌が付着・増殖する可能性が高く、安心して手に取れることを目指した」とのことですが、「感染症拡大の事実は把握していない。因果関係を解決するためのものではない」とも。これでは、抗菌加工ブームだからと安易にムードに乗っているとしか考えられません。こんなことで化学物資をむやみに濫用すべきではありません。

★使用している抗菌剤、及びその安全性について
 抗菌印刷とは、抗菌剤を透明な印刷用ニスに混ぜて、通常の印刷機で満遍なく印刷物の表面に塗布する加工方法のこと。  朝日が使用する抗菌ニスは、鞄s市と生活社が開発。使用抗菌剤は、ラサ工業鰍フ『ラサップQB-2500』。「安全性については慎重に調査し、抗菌製品技術協議会の基準をクリアした抗菌製品で、認定マークである『SIAAマーク』を取得している」そうです。
 反農薬東京グループの河村宏さんの調べでは、『ラサップQB-2500』は、抗菌成分のベンザルコニウムを難溶性リン酸塩に取り込み、耐熱性や耐水性を持たせたものだというとです。
 この基準はあくまで業界団体の自主基準であり、決して安全性を保障するものではあり ません。また化学物質過敏症は、基準値以下で発症したり増悪したりする例はいくらでも 報告されています。予防原則に則って化学物質の不必要な使用は控えるべきです。これで はまるで人体実験ではありませんか。この点を質すと、朝日は「検査機関の基準は信頼で きると考える。人体実験とは考えていない。それらの基準に不満がれば、当該機関に問い 合わせて欲しい」とまるで開き直ったような回答でした。また朝日の回答では、コクヨ事 故の使用薬剤は、『SIAAマーク』を取得していないということです。
【関連資料】都市と生活社の抗菌特許ラサ工業抗菌剤ラサップ
      抗菌製品技術協議会(SIAA)
        経済産業省:生活関連新機能加工製品懇談会報告書抗菌加工製品ガイドライン(98年12月)
渡部さんのHPより4級アンモニウム化合物の健康への評価
★表示について
「週刊朝日」「AERA」の裏表紙と目次のページには、右のようなマークが一応印刷されてはいます。しかしこれではあまりにも小さすぎて、何のマークか、まったくわかりません。抗菌加工製品を手に取りたくない消費者には、適正な選択の権利を奪うものです。
 同社は、新聞・雑誌等で殺虫剤、殺菌剤をはじめ化学物質の人体・環境に与える影響を問題視する記事をしばしば掲載しています。そうした主張と今回の件は全く相反するものです。マスメディアとしての自負と責任を深く考えて欲しいものです。
同社へ抗菌印刷をやめるよう是非働きかけてください。
  申し入れ先:朝日新聞社出版本部 神徳英雄・本部長 宛て
       〒104-8011 東京都中央区築地5−3−2
       TEL 03−5541−8839 FAX 03−5540−7809
       e-mail:doors@asahi.com

(注)
・抗菌:「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態」をいい、「無菌」「殺菌」
 「消毒」などとは異なる。
・SIAAマーク:SIAAマークはSelf-imposed Authorization for Antimicrobial article=
 抗菌製品自主基準の略称であり、エスアイエーエーと呼称する。SIAAは、抗菌製品技術
 協議会(Society of Industrial Antimicrobial Articles)の略称でもある。
 週刊誌につけられたSIAAマークはJIS Z2801(抗菌加工製品の抗菌効果を評価するための
 試験方法を規定した日本工業規格)に適合したものであると認めて、同協議会が登録番
 号を付与している。抗菌剤の毒性について、協議会は、急性経口毒性試験、皮膚一次刺
 激性試験、変異原性試験および皮膚感作性試験の4項目で評価するとしている。

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作成:2007-08-29