農薬の毒性・健康被害にもどる
t19806#07年後半からの農薬事件・事故#08-02

t19806c#小動物の中毒事件#08-02
 新年早々、山梨県甲府市で、散歩中の飼い犬が相次いで毒餌を食べ、中毒をおこしたり、死亡していることが明らかになりました。現場は、市内の荒川のサイクリングロードで、1月6日、青色粉末のついた鶏のから揚げを食べた犬が死亡しました。カーバメート系殺虫剤メソミルが原因と考えられています。その後の調べで、06年10月頃から、荒川沿いで、11件(2死亡)の同様の犬の中毒事件が起こっていたことがわかりました。
このほか、昨年後半に起こった小動物の中毒事件には、以下のようなものがあります。
  07/07/23  北海道苫小牧市 犬1匹中毒    メソミル付着ドッグフード
  07/07/24-25 長野県飯田市   犬2匹死       毒物付着肉片
  07/08/23   大阪府枚方市  犬1匹死       エチルチオメトン粉末付着パン
  07/11/13-19 沖縄県大宜味村 犬5匹(3死)   青色毒物メソミル付着した餌
                                猫3匹(3死) 沖縄県衛生環境研究所報

t19806b#水系汚染・魚毒事件#08-02
07年7月11日、高知県土佐市新居の新堀川で、コイやフナが約500匹死んでいるのがみつかりました。県の調査で、周辺の園芸地帯で使用された水質汚濁性農薬のエンドスルファン(ベンゾエピン)が原因であることが分かりました。

 7月15日、愛媛県松山市吉木の大久保川河口付近で、台風来襲後河川水が白濁し、刺激臭を発したため、農薬の流出が疑われました。市は、近くの小学校の生徒の遊泳を中止を指導するとともに、水質検査を実施しましたが、チウラム、シマジン、ベンチオカーブはいずれも検出されず、結局、原因物質は判明しませんでした(松山市報道資料:
7/157/20)。

 7月30日、山形県天童市と山形市の民家34戸の池で飼われていたコイや金魚約100匹が死にました。水源である立谷川の天童堰の水から、エンドスルファンが7μg/Lの濃度で検出されました。

 8月28日、佐賀県唐津市の玉島川に農薬が流出し、アユなど約3000匹が死亡しました。環境センター等の調査で、死魚から最高0.12μg/gのトルフェンピラド(殺虫剤ハチハチの成分)が検出されたほか、河川水から最高0.76μg/L、海水から最高0.16μg/Lが見出されました(佐賀県報道資料:8/31)。

t19806a#殺虫剤による火災事故#08-02
 8月27日、ライオン鰍ヘ、殺虫剤成分を含まない新型タイプの殺虫剤として、製造販売していた「バルサン氷殺ジェット」シリーズの製品の販売中止と約325万本の回収措置を発表しました(
ライオン「バルサン 飛ぶ虫氷殺ジェット」「バルサン 這う虫氷殺ジェット」の自主回収)。
 使用に伴い火災爆発事故が多発し(7月27日の大分と8月26日の広島の浴室での爆発事故では、重い火傷)、その数は25-50件といわれています。
 この製品に含まれるイソペンタンと油脂を昆虫に付着させ、気化熱を奪うことで、−40℃に凍らして殺すことを狙ったもので、噴射剤として可燃性のLPガスが配合されています。イソペンタンは神経毒性を有する炭化水素であるにも拘わらず、殺虫成分を有しないから安全だとの印象を消費者に与え、火気のある場所での安易な使用により、火災の原因になりました。氷殺に限らず、多量の可燃性噴射剤を含むジェット式の殺虫剤は製造販売をやめるべきです。
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作成:2008-05-28