行政・業界の動きにもどる
t20104#食品関連施設のIPM転換には、地方自治体の条例改定も必要#08-05
【参考資料】食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)
記事t20002で、室内殺虫剤散布のIPM転換を促す、食品事業者向けの通知が厚労省から発出されたことを紹介しましたが、通知全文を入手しましたので、以下に掲載します。
------------------------------------------
食品事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針
(ガイドライン)に係るそ族及び昆虫対策について
食安監発第0415002号
平成20年4月15日
宛先 各 都道府県 衛生主管部(局)長 殿
保健所設置市
特別区
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長
標記については、平成16年10月15日付け食安監発第1015001号「食品事業者が実施すべ
き管理運営基準に関する指針(ガイドライン」において、そ族及び昆虫対策の方法に係る
留意事項について通知したところですが、近年、建築物における衛生的環境の維持管理に
おけるそ族及び昆虫の防除について、「総合的有害生物管理」(注あり−省略−)の考え方
が導入されてきていることから、食品等事業者に対するそ族及び昆虫対策の指導にあたっ
ても、本管理方法に留意されるようお願いします。
★都道府県の食品衛生施行条例
【地方自治体の条例の事例】東京都食品衛生法施行条例
このような通知だけでIPMに転換することは望み薄です。前号で挙げたガイドラインにも具体的な手法を折り込む必要がありますが、それだけではありません。都道府県の食品衛生施行条例の中味も問題です。
この条例は、食品衛生法第五十条第二項『都道府県は、営業の施設の内外の清潔保持、ねずみ、昆虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関し、条例で、必要な基準を定めることができる』に基づき制定されているものです。たとえば、東京都の食品衛生施行条例の場合、『公衆衛生上講ずべき措置の基準』の項の(二) ねずみ族、昆虫等の対策として、
『ハ 施設内のねずみ族、昆虫等の生息状況を定期的に調査するとともに、その発生を認めたときは、直ちに駆除作業を実施し、その実施記録を一年間保存すること。
ニ 駆除作業に殺そ剤又は殺虫剤(以下「殺そ剤等」という。)を使用する場合には、食品等、器具及び容器包装を汚染しないようその取扱いに十分注意するとともに、適正なものを適正な方法で使用すること。
ホ 食品等、器具及び容器包装は、ねずみ族、昆虫等による汚染防止対策を講じた上で保管すること。』などとあります。しかし、調理、加工、製造、保管、運搬、販売などの食品関連施設の場合、『発生を認めたときは、直ちに駆除作業を実施』とあることのみを注視し、一般の建築物よりも、過度な殺虫剤使用になり勝ちです。IPM転換に実効性を持たすには、それぞれの場での具体的手法を明示した条例の改定が不可欠です。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、
注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2008-10-25