行政・業界の動きにもどる
t20405#都内区市に農薬・室内殺虫剤散布に関する陳情・・郵送は受け付けないが多数#08-08
 住宅地周辺での農薬散布や公共施設内での殺虫剤散布は農水省・環境省、厚労省がIPM(総合的有害生物管理)に転換し、その通知やマニュアルを出していますが(記事t19801)、末端の農薬使用者にまで周知されていません。反農薬東京グループはさまざまな要望をしてきましたが、今回、陳情という方法で議会に働きかけてみました。(Q&AG参照)。皆さんの自治体にも陳情を出してみてください。
 7月29日付けで東京都の48区市の議会議長宛(東京都議会と西東京市は別内容)に陳情を郵送しました。できるだけ短くせよとの指示なので、陳情を樹木等への農薬散布と公共施設内での殺虫剤散布の二つにわけ、陳情内容も調査と指針制定の二つに絞りました。
 しかし、区市によっては郵送の陳情は審議しないところがあり、郵送でも審議するというのはむしろ少数派です。大方は、審議してほしかったらここまで持ってこいという態度で、憲法に保障された権利を議会が奪っていると言えます。処理の仕方も、全議員に配布するから議長に預ける(この場合、議長が読むだけで、読んだ後はファイルしてお終い)まで、いろいろあります。
 8月8日までに連絡のあった区市の対応は以下の通りです。 一週間以内に連絡のなかった自治体は、新宿区など23自治体でした。
 ○議会で審議する 6議会
  板橋区、江東区、中央区、千代田区、清瀬市、立川市、
 ○全議員に参考配布 8議会
  渋谷区、墨田区、目黒区、小金井市、東久留米市、羽村市、府中市、世田谷区、
 ○特定の議員に配布 6議会
  荒川区(委員会で参考配布)、大田区(議会運営委)文京区(議会運営委)
 、国立市(各会派の代表)、国分寺市(各会派の代表)、調布市(各会派の代表)
 ○議長が見るだけ 6議会
  練馬区、小平市、狛江市、日野市、福生市、武蔵野市

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公共施設樹木等への農薬使用削減に関する陳情
 【陳情の趣旨又は要旨】
  農水省と環境省は、住宅地等での農薬使用による住民や子ども等の健康被害を防止す
  るため、農薬使用をできるだけ減らすよう平成19年1月31日付で連名通知「住宅地等
  における農薬使用について」(以下、住宅地通知という)を出しています。
  さらに環境省は、平成20年5月30日、「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュ
  アル」を出しました。このマニュアルは、総合的病害虫・雑草管理(IPM)の考え
  方を基本とし、各自治体等がそれぞれの環境等に適した管理体系を確立していく上で
  の参考情報を提供し、農薬によるリスクを減らすことを目的としています。特に行政
  が委託者となる公園や街路樹、学校などの樹木管理における農薬使用削減の具体的な
  方法を示しています。
   しかし、これら通知やマニュアルは十分に周知されておらず、未だに行政が農薬散
  布する場合も少なくありません。また、一般市民もこうした情報を十分に知らされて
  いません。そこで、以下の陳情をいたしますので、よろしくお取りはからいください。

 【陳情事項】
  1、貴自治体市が管理する公園、道路、運動場、その他の公共施設、街路樹等で使用
   されている農薬の使用状況を調査し、公表してください。
  2、貴自治体において、農水省・環境省二局長連名通知「住宅地等における農薬使用
   について」や環境省「公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル」の内容を
   周知徹底するため、農薬を極力使用しないで植栽管理を行うための指針やマニュア
      ルを策定してください。
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公共施設室内での殺虫剤の使用に関する陳情
 【陳情の趣旨又は要旨】
  厚生労働省は、平成15年4月に、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律
  (略称:建築物衛生法)」関連政省令の改定を行い、その中で、ねずみ・昆虫対策と
  してIPM(総合的有害生物管理)の手法を取り入れることにしました。これは、殺
  そ剤及び殺虫剤の乱用や不適切な使用によって人の健康被害の訴えが後を絶たなかっ
  たからです。
  その後、平成20年1月25日に、厚生労働省健康局長通知「建築物における衛生的環境
  の維持管理について」が出され、「建築物環境衛生維持管理要領」を改定、IPMの
  具体的方法を示したマニュアルが発表されました。
  衛生害虫防除については、定期散布を止め、まず生息調査をした上で、出来る限り薬
  剤を使用しない方法で対処することになります。建築物衛生法は特定建築物が対象に
  なりますが、これに準ずるものとして、庁舎や公共施設で室内殺虫剤散布が定期的に
  年2回繰り返されてきた経緯があります。そのもとになる省令が改定されているわけ
  ですから、区市町村が管理する建築物でのねずみ・昆虫駆除もIPMで実施していた
  だきたいと思います。そこで以下の陳情をいたしますのでよろしくお願いいたします。

 【陳情事項】
  1、貴自治体が管理する公共施設で、直近の年度における、ねずみ・衛生害虫駆除の
   ために使用されている殺虫剤等の使用状況を各施設ごとに調査し、公表してくださ
   い。
  2、貴自治体において、厚労省の「建築物における維持管理マニュアルの第6章 ねず
   み等の防除― IPM(総合的有害生物管理)の施工方法 ―」の内容を周知徹底す
      るため、殺虫剤を極力使用しないで害虫防除を行うための指針やマニュアルを策定
      してください。
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この陳情の他に参考資料として、それぞれ通知の紹介などをつけてあります。必要な方は事務局までご連絡下さい。

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作成:2008-08-25