農薬の毒性・健康被害にもどる
t20407#殺虫剤による事故や貯水槽誤投入#08-08
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   【参考サイト】経済産業省の製品安全ガイド事故検索サイト
★3倍危険か?殺虫剤火災
 報道によると
4/29 東京都で、殺虫剤エアゾルを噴射したところ洗濯乾燥機の下から出火
5/16 東京都港区のオフィスビルで加熱蒸散型殺虫剤による異臭騒ぎ
5/21  和歌山県橋本市で、スプレー型殺虫剤破裂で火傷
5/27  島根県松江市で、スズメバチ駆除の殺虫スプレーで住宅全焼
7/10  奈良市の知事公舎と桜井市の喫茶店で、くん煙殺虫剤の煙を火災報知機が検知、消防車が出動
 
記事t19806aで紹介したライオン社の「バルサン氷殺ジェット」シリーズは、昨年、開発された新商品ですが、販売直後から、火災・火傷事故が多発し、同社は製品約325万本の自主回収を行なっています(自主回収の告知、本年6月30日現在の回収率は約45%)。しかし、今年の6月23日にも、静岡県で1名重傷の事故が起こりました。
 経済産業省のDBによると、『車内に虫がいたため、密閉された状況で当該製品を噴射した後、たばこに火を点けたところ爆発した。その際火傷を負った。』とのことです。
 製品には噴射剤LPガスとイソペンタンが含有されているものの、「氷殺」という名称から、可燃性ガスが含まれていないものとの誤解が生じ、事故に繋がった可能性があると指摘されていますが、商品名だけのせいではないでしょう。
 殺虫剤メーカーは、製品をジェット式と称して、可燃性噴射剤を増量・大型化し、中には、3倍噴射と宣伝している会社もありますが、このような製品は3倍危険と考えるべきでしょう。
 アース製薬は電気蚊とり用のアースマットマイルド(アレスリン含有)の一部に、規定以上の薬剤を含む製品があったとして、6月16日、自主回収を告知しています。また、同社の電気くん蒸殺虫器「アースノーマット」の98年以前の製品で、幼児が蒸散口に指をいれたことによる火傷事故が7件(うち重傷1)発生していたことが、7月29日に、経済産業省により公表されました。99年以後の製品には、指入れ防止バーがついているそうです。
【参考サイト】経済産業省:製品事故公表(7/25)製品事故公表(7/29)

★大阪では、ビルの貯水槽に殺虫剤を誤投入
 6月5日、大阪市淀川区内の新大阪日大ビル(スーパーマーケットや飲食店、事務所などが入居)の管理会社から、水が濁っているとの通報を受けた水道局が調査したところ、 前日に、PCO業者アペックスが、誤って殺虫剤を貯水槽へ投入したことがわかりました。大阪市保健所では、直ちに同ビル所有者に対し飲用の中止や飲料水の確保、貯水槽等の清掃の指示を行いました。
 投入された殺虫剤は、「フェニトロチオン・ジクロルボス混合乳剤」「ピリプロキシフェン粒剤」 で、その濃度はフェニトロチオン 1.5mg/L、ジクロルボス 0.5mg/L ピリプロキシフェン 0.1mg/Lとのことです。
 アペックス社は、兵庫県や大阪府の登録業者で、日本ペストコントロール協会や日本しろあり対策協会に加盟していますが、ボウフラ駆除のため汚水槽処理するところを、誤まって、貯水槽に投入したというのですから、驚きあきれます。
【参考サイト】
大阪市報道発表資料
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作成:2008-10-27