農薬の毒性・健康被害にもどる

t21207#農薬事件・事故#09-04

野鳥の被害
 08年11月3日から10日かけて、北海道室蘭市内の住宅地で、死んだカラス16羽が見つかりました。付近には、有機リン系殺虫剤を混入したペットフードがあったとのことです。
 08年11月5日、長野県安曇野市の明南小学校グランドや道路でハト14羽が死んでいるのがみつかりました。
県環境安全センターの分析調査で、ハトのそのう内容物及び胃内容物から、それぞれ35〜3,600mg/kg、170〜1,100mg/kg のMPP=フェンチオンが検出されました。
倉敷市のまきび公園でクロピク事故
 08年12月24日、岡山県倉敷市の
まきび公園にある竹工房内の倉庫を大掃除していたところ、作業員が誤ってクロルピクリン入り容器を倒し、約200mlが漏洩しました。このため、棟続きにある売店の従業員2名が眼の痛みを訴え、病院へ搬送されました。被害は軽症で、周辺住民へ広報活動したが、ほかに健康被害はなかったとのことです。
 漏洩したクロルピクリンは、竹の栽培中に使用するのではなく、竹細工の原材料となる竹に虫がついたとき、駆除するのに使えると思い、保管していたものだそうで、実際に使用したことはないとのことです。
 農薬クロルピクリンならば、適用外になりますが、容器のラベルでクロピクであることを確認し、翌日、業者が焼却処分したので、登録番号などは、詳細は確認できなかったとのことです。
 この事故とは別に、09年1月7日には、愛知県豊橋市で、タバコ畑で使用していたクロルピクリン製剤2缶(40L)が盗まれました。
奈良県で魚毒事件
 09年1月3日、奈良県明日香村の戒外(かいげ)川で、約2kmにわたり、オイカワ、カワムツなど小魚が多数死亡しているのが見つかりました。3日と4日、採取した河川水から、下記のような農薬が検出されました(
奈良県報道発表)。
  1 エンドスルファン(α体)0.004mg/L
    エンドスルファン(β体)0.002mg/L
    アラクロール 0.004mg/L
  2  エンドスルファン(α体)0.003mg/L
    エンドスルファン(β体)0.002mg/L
    アラクロール 0.003mg/L
 これらの農薬が魚毒事件の原因とされましたが、農薬が検出された理由は不明です。
メソミルによる犬の中毒事件
 2月4日、神戸市西区で、散歩中の犬がけいれんを起こして倒れました。殺虫剤メソミルが付着したちくわを食べたとのことでした。
 厚労省は、2月23日、メソミルを現在の「劇物」から「毒物」にする毒物及び劇物指定令の
改定案を出しました。この案では、メソミル含有量45%以下の製品は「劇物」となっています。登録農薬であるランネート45水和剤はいままで通り「劇物」のままで、事故防止に何の影響もありません。メソミルは1.5%含有の微粒粉剤でも、0.3gたべればハトの半数以上は死亡しますし、吸気毒性も強いため、私たちは、パブリックコメント募集で、含有量にかかわりなく、「毒物」指定すべきであるとの意見を述べました(原案通りとなり、薬食発第0408002号(4月20日から施行)。

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作成:2009-07-27