野鳥の大量死〜原因不明のまま
全国各地で、カラスやハト、ヒヨドリなどの野鳥が大量死するケースが、よくみられます。新聞やテレビで報道されると、当グループは、まず、農薬などの毒物が原因ではないかが気になり、発生地の自治体へ問合せるのが常です。
行政は、大量死が見つかった場合、鳥インフルエンザやウエストナイルのウイルスを疑い、その検査をすることになっています。死骸の様子や周辺に毒餌のような不審なものが見つかった場合には、吐瀉物や胃内容物の毒物検査が実施されるようです。今年起こった2つの事例を示します。
【岐阜県美濃加茂市】 美濃加茂市立山手小学校周辺で、1月27日から2月4日にかけて、ヒヨドリ37羽の死亡が確認されました。
岐阜県中濃振興局環境課に問い合わせたところ、以下の要旨の回答が来ました。
原因調査及び結果
@現場及び周辺環境調査(半径500m):異常は認められない。
A鳥インフルエンザウイルス検査:国立環境研究所でのウイルス確定検査で陰性。
B病理解剖:岐阜大学応用生物科学部附属野生動物救護センターでの病理解剖では、
「死因は、感染症、中毒、凍死などによるものでなく、誤嚥に起因する高度肺鬱血
によるもの」との報告あり。
1997年に、長野県で野鳥の大量死が多発した際、食べすぎによる窒息説、鳥が食べたピラカンサスの実に含有されている青酸配糖体によるシアン中毒説のほか、EPNやメソミル、ベンフラカルブなどの農薬が検出されたこともありました。37羽が一斉に誤嚥したとしても、その原因はなんだったのか、疑問が残ります。
【参考サイト】日本野鳥の会軽井沢支部: