環境汚染にもどる
t21501#斑点米(着色粒)の規定はいらない〜消費者・生産者アンケートに大多数が回答#09-07
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【参考サイト】米の検査規格の見直しを求める会の資料室にある消費者・生産者「斑点米アンケート」まとめ 、生産者コメントと消費者コメント
以前から米の検査規定にある斑点米の項目の削除を求めて当グループも運動してきましたが、「米の検査規格の見直しを求める会(16団体)」を結成し、2009年4月20日から6月30日まで「斑点米に関する消費者、生産者アンケート」を実施しました(記事t21203)。会員の皆さまには多大なご協力をいただきありがとうございました。その結果がまとまりましたので、お知らせします。
最近になって農水省は斑点米の規格は消費者の要望だなどと言い始めています。事態を打開するために、私たちは「本当に消費者が斑点米を拒否しているのか」「生産者はどう考えているのか」を中心に、アンケート調査を実施しました。その結果の概要を報告します。
★アンケートの方法
アンケートは主に、賛同団体がそれぞれの機関誌等を通じて会員に流し、会員が自分や周辺の人々から集めました。また、インターネットにもアンケート用紙を設置し、不特定多数の人はこちらから回答してもらうようにしました。
回答は生産者から229件(内当グループ関連65件)、消費者から3270件(内当グループ関連363件)集まりました。一部を除いて特にコメントは求めなかったのですが、生産者から131、消費者から702件の意見が寄せられました。回答者の居住地は、生産者が静岡県、富山県、佐賀県、宮崎県、沖縄県を除く42都道府県。消費者が47都道府県すべてでした。
★1,消費者からの回答3270件
回答総数3270件で女71%、男25%、不明が3%でした。
<質問1>
「農家が農協に出荷するとき受ける米の検査で、カメムシによる斑点米(カメムシに汁液を吸われ黒い斑点が残った米)の規格があることを知っていますか。」
【回答結果】
知っている 21% 知らない 78% 無回答 1%
78%の消費者が「知らない」と回答しています。知らない消費者が圧倒的です。
「知っている」と回答した21%のうち、<質問4>の斑点米の規格が必要かどうかとの問いに対して、「必要」と回答した人が16%、「不要」が82%、無回答が2%でした。また、「知らない」と回答した78%のうち、「規格が必要」と回答した人は13%、「不要」と回答した人が83%でした。前から知っていても、今回初めて知った人も、圧倒的に「規格は不要」と回答しています。
<質問2>
「斑点米が1000粒に1粒ならば一等米、2〜3粒混じったら二等米(一等米と二等米では60kgあたり約1000円の価格差)に等級が下げられてしまうことを知っていますか。(茶碗一杯は約3000粒))」
【回答結果】
知っている 13% 知らない 87%
斑点米が一粒多いだけで、等級が下げられることを知っていた人は13%、知らなかった人は87%です。消費者が実際に購入するときに、等級はわかりませんから、そうした制度があることを知らない消費者が圧倒的なのは当然と言えます。
<質問3>
「米の検査で等級が下がることを避けるために使用されるカメムシ防除の農薬が、水田で使用される殺虫剤のなかで一番使用量が多いことを知っていますか。」
【回答結果】
知っている 8% 知らない 91% 無回答 1%
米の栽培中にどういう農薬がどれだけ使われるか、消費者には一切わかりません。農水省はカメムシ防除にどれだけ農薬が使用されているか発表しません。ではなぜ、私たちが、カメムシ防除が水田で使用される殺虫剤の中で、一番多いと指摘しているのかというと、農水省監修・植物防疫協会発行の「農薬要覧」にある水稲害虫別の防除面積でカメムシが一番多いからです。防除面積がわかって、農薬使用量がわからないというのは納得できません。
ですから、消費者が知らないのは当然ですが、こうした情報をもっと公開していくべきだと思います。
<質問4>
「斑点米は食べても安全性にはまったく問題はありません。見かけの問題でしかない斑点米ですが、精米(玄米から白米に)するときに、色彩選別機を使って取り除くことができるものです。しかも、二等米では農家の手取りが低くなるのに、斑点米を取り除いて消費者に売られる「もと二等米」の価格は、一等米と変わりません。消費者として米の検査項目に「着色粒」の項目があることをどう思いますか」
【回答結果】
不要である 82% 必要である 14% 無回答 4%
この質問は随分考えて作成したものですが、「わかりにくい」というコメントがありました。そのためか、無回答も4%になっています。質問1〜3までは、知っているか、知らないかと、考えるまでもないものでしたが、質問4では、判断を求めています。アンケートのお願いなどを見てもらえばわかったと思いますが、なかなかじっくり読んでもらえなかったようです。それでも「不要である」が82%で、大部分の消費者は斑点米の規格が不要だとしています。
インターネットでの回答には、特に質問4に対して「偏っている」という批判や安全だという根拠示せというのもありました。
安全性については、中央農業総合研究センターなどが調査しているようですが、有害なカビ毒等が含有されているという報告はありません。
★2,米生産者からの回答229件
米生産者はどう考えているか、大変関心のあるところです。そこで、消費者と違って質問に、居住県以外に生産面積、米作り歴、年齢も答えてもらうようにしました。
回答は229件で消費者の10分の1というところでしょうか。生産者の回答が少なかったのは残念なことでした。
回答者の属性ですが、栽培面積でみると、一番多かったのが50アール以下で31%、次が2ヘクタール以上で29%、50アールから1ヘクタールが21%、1ヘクタールから2ヘクタールが16%と、ほぼ万遍なく網羅されていました。年齢は60代以上が41%と、高齢化しています。中には80代の方も何人かいました。日本の農業がこうした高齢の方々の支えられているのがはっきりします。
<質問1>
「検査員による米の検査を受けていますか。」
【回答結果】
受けている 61% 受けていない 38% 無回答 1%
回答者のうち、米の検査を受けていない生産者が38%ありました。直接消費者に販売しているか、自家用のみの生産とみていいと思います。日本全体の実情からはやや離れるかもしれません。
<質問2>
「米の検査において斑点米(カメムシに汁を吸われて黒い点がついた米)が1000粒に2粒になると2等米となって、農協引取り価格が大幅に安くなることを知っていますか」
【回答結果】
知っている 79% 知らない 21%
実際に米を売っている生産者ですから、さすがに「知っている」のが80%近くに登ります。米の検査を受けていない生産者も知っているということです。
<質問3>
「カメムシ防除のための農薬散布を行っていますか。」
【回答結果】
行っている 32% 行っていない 66% 無回答 2%
カメムシ防除をしていない生産者が66%というのは、日本の実態を反映していないと思います。
<質問4>
「斑点米は色彩選別機で取り除くことができ、流通業者が精米すると消えてしまうものです。安くされた二等米が一等米に混ぜられ消費者に高く販売されています。農家として米の検査規格に着色粒(斑点米)という項目は必要と思いますか。」
【回答結果】
不要 80% 必要 19% 無回答 1%
「不要」が80%となっています。農家に不利な規格ですから、全員が「不要」としてもいいはずですが、「必要」が約20%ありました。
<質問5>
「米の検査から着色粒の項目が削除された場合、カメムシ防除のための農薬散布は続けますか。」
【回答結果】
止める 60% 続ける必要がある 12% 無回答 28%
無回答が28%もあったのは、質問の仕方が悪かったせいもあると思います。というのは、カメムシ防除の農薬散布をしていない生産者が66%もいました。その人たちはいまさら止めるというよりは、もともと散布していないと回答してきました。
しかし、質問3でカメムシ防除をしていると回答した人の63%が斑点米の規格がなくなれば、散布を止めると回答しています。やはり、この規格は削除すべきと思います。
斑点米の規格が削除されても、カメムシ防除の農薬散布が必要と答えた人が12%ありました。斑点米のない米を作りたいという生産者の意向でしょうか。
この結果により、私たちが主張してきたことは正しかったと証明されたのではないでしょうか。すなわち斑点米規格は
(1)安全性に問題がなく、収穫量にも影響しないのに異常に厳しい。
(2)斑点米による等級価格差によって生産者は非常な不利益を被る。
(3)カメムシ防除のための農薬散布を強制される。
(4)消費者にとって、等級は何のメリットもない。
(5)過剰な農薬散布によって生態系、周辺住民の健康が脅かされる。
ということが理解されたと思います。
昨年のカビや残留農薬が基準以上に検出されたMA米などが、食用に転用されていた例のように、二等米が一等米に化けている疑いもあります。私たちが、町の米穀店で二等米を買おうとしても、殆どの店は取扱っていません。いったい、どこに消えているのでしょう。
早急に、農産物規格規定の着色粒の規格を削除し、農産物規格規定そのものの見直しをしてほしいものです。
なお、6月15日に行われた「斑点米を食べてみる会」の様子は、ビデオになってYoutubeにアップされています(斑点米を食べてみる会。
★斑点米・米規格に関する政党アンケート(8月18日)
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作成:2009-12-25