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t21506#まだつづく農薬のネット販売〜北海道小樽市の事例〜道庁は農薬取締法違反を黙認#09-07
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【参考サイト】インターネットオークション等への出品に際しての法令遵守の注意喚起についての協力依頼(農水省05/06/30発出)
改正薬事法による医薬品等のインターネット販売規制についてのパブコメ募集中であった5月半ば、会員からの通報で、北海道小樽市のリスロンオタルが、劇物指定農薬「バポナ園芸用」、除草剤「ハイバーX粒剤」、殺虫剤「デナポン5%ベイト」「スミチオン粉剤3DL」などの農薬類をネット販売していることがわかり、早速、北海道庁と小樽市に質問・要望をだしました。以下にその回答を示します。
(道)は北海道農政部食の安全推進局食品政策課、(市)は小樽市保健所からの回答要旨です。
★農薬販売届は出ていない
農薬取締法では、新たに販売を開始する場合は、開始の日までに、都道府県知事に氏名等を届出ることが義務づけられており、違反すると六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金という罰則が科せられることになっています。小樽市の事例では、【質問1−1】にあるように、届出を出さずに、販売していました。さらに【質問1−5】にあるように、販売帳簿もつけていませんでした(これも、上と同じ懲役又は罰金あり)。二つの違法行為があったのに、道庁が、指導による事後の届出で良しとしたのは、大甘な措置といえます。
【質問1−1】農薬取締法第八条に基づき、
販売者の届けをだしているか。届けがでていれば、その年月日を教えてください。
【回答(道)】販売届は提出されていなかった。速やかに販売届を提出するよう指導し、
6月2日付けで届出を受理した。
【質問1−2】毒物及び劇物取締法第四条に基づき、販売業の登録申請をしているか。
申請していれば、その年月日を教えてください。販売業者として登録された年月
日を教えてください。
【回答(市)】毒物劇物一般販売業 許k都住宅美研 昭和56年12月9日許可
【質問1−3】毒物及び劇物取締法第七条に基づき毒劇物取扱責任者を置いているか。
【回答(市)】 責任者−氏名略−(代表取締役)
【質問1−4】毒物及び劇物取締法第十四条で定める譲渡手続きに違反した販売をし
ていないか。
【回答(市)】譲渡手続き書面(譲受書)に不備が認められたので、改善を要請した。
【質問1−5】その他の法令違反はないか。
【回答(道)】農薬の種類別譲受数量・譲渡数量を記載した帳簿が備え付けられてい
ない。(農薬取締法第10条)
【回答(市】特に法令違反なし。
【質問1−6】すでに販売した商品や完売した商品があるが、その中に、毒劇法違反
や農薬取締法違反で販売された商品があるか。−略−
【回答(道)】農薬取扱品目はハイバーX粒剤、デナポン5%ベイト、スミチオン粉
剤、バポナ殺虫剤。
【質問2】1について、お調べになった結果とその後の措置内容をお知らせください。
【回答(道)】農薬販売届を速やかに提出するよう指導し、6月2日付けで受理した。
併せて、帳簿を備え付けることについて指導した。
【回答(市)】実地指導(5月26日・6月2日)の結果、改善計画書の提出を求め
6月11日受理した。
【質問3】当該ネットショップのHPには『法令により18歳未満の方には販売できま
せん。18歳未満の方は当店以外でお買い求め下さい(個人名でお申し込みのお客
様は当店担当者の判断で身分証明のコピーなどをお送りいただく場合もありま
す) 』とありますが、毒物及び劇物取締法第十五条を遵守するには、対面販売
をする必要があると考えます。毒劇物指定農薬等を通信販売すること自体に違法
性はありませんか。
【回答(市)】@ホームページの掲載内容に不適切(18歳未満に関する事項)が認
められたので、改善を要請した。
A毒物および劇物の通信販売については、厚生労働省医薬食品局にも確認したが、
明示的に法令違反とする規定は無いとのこと。
【質問4】貴部署又は貴所は当該ネットショップに、毒劇法や農薬取締法に基づき、
立ち入り検査をされたことがありますか。あれば、直近の立入検査はいつで、そ
の際の指導状況を教えてください。
【回答(道)】貴グループから情報提供があるまで、農薬取締法に基づく立入検査は
実施していない。
【回答(市)】平成13年8月7日毒物及び劇物取締法に基づく立入検査実施。(指
導事項なし)
【質問5】当該ネットショップは、農薬販売業者に対する研修会に参加していますか。
しておれば、その年月日を教えてください。
【回答(道)】道が主催した農薬販売業者等を対象とする研修会には参加していない。
【質問6】当該ネットショップは、購入者に農薬や劇物を送付する際、どのような配
送便で送付していますか。内容物が農薬や劇物であることを、配送業者に告知し
ていましたか。配送に際しては、一般品と混載して送付していましたか。
【回答(道)】配送伝票には農薬であることを記載しており、配送に際しては、ビ
ニール袋、ダンボール箱に入れて他の資材と区分して梱包している。
【回答(市)】毒物・劇物については、単体で宅配業者若しくは郵便により配送を実
施、送付物梱包に内容表示もれが無いよう要請した。
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作成:2009-09-27