残留農薬・食品汚染にもどる

t21905#水道水質規制、6農薬で管理目標評価値の緩和提案#09-11

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【参考サイト】厚労省:水質管理目標設定項目の一部改正案に関する意見の募集について
           改定案当グループのパブコメ意見
           水質基準逐次改正検討会(12/01)と厚労省のパブコメに対する見解
       厚生科学審議会生活環境水道部会の水質基準の見直しについて
           第1候補群の101農薬 第二候補群26種と第三候補群79種(2003年)

 厚労省は、10月17日、「水質管理目標設定項目の一部改正案について」を公表し、パブリックコメントの募集をはじめました。食品安全委員会による農薬の食品健康影響評価の結果、設定されたADIを踏まえ、管理目標評価値の変更が提案されました。

★04年に、農薬は水質基準から外れた
 03年5月30日に、「水質基準による省令」が改定され、農薬は、水道中の水質基準から削除され、任意測定項目である「水質管理目標設定項目」に組み込まれました。
 04年4月から実施された新たな体系では、総農薬方式として、101の農薬について水質管理がなされています。
 この方式では、対象に選定された農薬毎の 検出値/目標値比の総和が1を超えないように水質を管理することになります。
 目標値は、原則として、体重50kgのヒトが一日に水2Lを摂取するとして、その農薬のADI(一日摂取許容量)の10%以下になるように算定されます。すなはち、ADI(mg/kg/日)×2.5が目標値(mg/L)の目安なります。

★目立つ水稲用農薬の目標値を緩和
 表には、改定案を示しました。目標値の緩和が提案されているのは6農薬で、水稲用途の多いブロモプチド、イソプロチオラン、エスプロカルブ、メフェナセットと芝用のジチオピルなどです。
 101農薬の中には、すでに登録失効した農薬もありますし、対象となっていなくても、年間10トン以上(PRTR法第一種指定の目安となる)出荷されている農薬があります。実際の農薬の使用状況に応じた管理目標の設定が求められます。
 なお、水道水の農薬規制について、私たちは、ヨーロッパ並みの総農薬で0.5ppb=0.0005mg/L、単一農薬で0.1ppb=0.0001mg/Lという基準設定や農薬のグループ化規制を求めていますが、厚労省は意に介さないようです。
   表 管理目標評価値の改定案

    農薬名        ADImg/kg/日   目標値mg/L      07年度
                      (旧値→現行値)   (改定前→改定後)   出荷量*トン

    イソプロチオラン  0.016 → 0.1    0.04  → 0.3     165.5
    エスプロカルブ       0.010           0.01  → 0.03     123.6
    ジチオピル          0.0036      0.008 → 0.009          6.5
    ピリプロキシフェン  0.1        0.2   → 0.3            0.35**
    ブロモブチド       0.040           0.04  → 0.1          387.3
    メフェナセット   0.007 →0.0036   0.009 → 0.02         120.6
   *:出典は環境省農薬データベース **:別に防疫用殺虫剤等の用途あり

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作成:2010-02-27