ネオニコチノイド系農薬・斑点米関係にもどる

t22207#反農薬Q&A(23)ネオニコチノイドの茶残留基準について#10-02
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【参考サイト】厚労省:茶の残留基準フードファクタ−
    厚労省の残留基準設定の資料:アセタミプリドイミダクロプリドクロチアニジンチアメトキサム

 ネオニコチノイド系の農薬で、お茶の残留基準が高いということを聞きますが、どの程度残留しているか教えてください。

★ネオニコ系農薬の残留基準は高い
 ネオニコチノイド系殺虫剤には、8つの活性成分があり、いずれも茶の害虫に適用があります。茶葉摘採の7日前又は14日前までに散布され、それぞれの残留基準(飲む茶液濃度ではなく、乾燥茶葉当りの数値)は、下記のようです。
   茶の残留基準(単位ppm、*は改定案)
   アセタミプリド 50(30*)   ニテンピラム    10
   クロチアニジン 50      フロニカミド    40
   チアクロプリド 30      ジノテフラン    25
   チアメトキサム 15      イミダクロプリド 10
 ネオニコ系は茶葉への浸透性があるため、必然的に残留値は高くなります。たとえば、メーカー実施のアセタミプリドの残留性試験では、散布14日後の荒茶で最高残留値22.5ppm、浸出液(次節参照)で最高値14.5ppmでした。基準値は、メーカー試験の最大値の約2倍にしておけば、いいだろうとの思惑で設定されています。

★茶葉の摂取は国民平均一日3gと仮定
 抹茶を除く茶の残留分析は、製茶した茶葉の浸出液で実施する場合が多いです。9gの茶葉を100℃の熱湯540mlに5分間放置した液を分析に供します。溶剤で抽出処理後、分析機器にかけ、乾燥茶葉当りに換算して、検出値とします。厚労省は、国民平均で、茶葉をまるごと1日に3g食べると仮定しています。アセタミプリドの場合、ADIは0.071mg/kg体重/日ですから、最大の50pp残留しておれば、体重50kgの人の摂取量は、対ADI比は4.2%となります。体重が軽く、お茶をたくさん摂る人の比率はもっと高くなります。

★残留分析結果はどうか
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 東京女子医科大の平久美子さんほかの論文(臨床環境医学第18巻第1号p19-34)で、茶葉と茶飲料のアセタミプリド分析結果は、以下のようです。
    食品名  検体数 検出数 検出値
    中国茶葉  6    2 19.88と10.72ppm
    国産茶葉  3    0
    緑茶飲料  3    1   2.49
 横浜市衛生研究所の08年度の報告では、国産番茶からはアセタミプリド0.39ppm、ほうじ茶とウーロン茶からは不検出でした。
 茶葉については、茶業組合の自主検査や行政の収去検査もあり、そこでは、残留基準以下であったと公表される場合がほとんどです。厚労省の検疫検査結果には、茶の違反事例にネオニコ系はでてきません。ネオニコ系成分のすべてが、分析されているとは限りませんし、50ppm残留していても、基準を超えていないなら発表されません。
 東京都の輸入茶葉の残留調査()では、アセタミプリドのみが分析され、どの検体も検出限界0.01ppm以下でした。
 ペット入り茶飲料については、残留基準がありませんから、行政は収去検査することもありません。先の平論文の茶飲料並みにアセタミプリド2.5ppmが残留していたとすると、各体重の人が一日に茶飲料を表の量を超えて飲むとADIを超えます。
   体重 体重別ADI  茶飲料摂取量
   50kg   3.55mg/日   1420ml
    40      2.84      1136
    30      2.13          852
 茶葉及び茶飲料については、ネオニコ系の残留分析調査が少ないので、もっと件数を増やし、残留基準以下でも検出値を公表してもらいたいと思います。

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作成:2010-02-28