農薬の毒性・健康被害にもどる

t23502#農水省、作物残留試験の内容変更で意見募集〜実施事例を増やすと言うが#11-03
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【参考サイト】農水省:農薬登録制度に関する懇談会等の情報についての頁
       農薬の登録申請に係る試験成績についての関係通知の一部改正に関する意見・情報の募集について
       通知概要
       参考資料:各国の農薬登録に係る作物残留試験で要求される試験例数

 農水省は、07年12月に、農薬登録制度に関する懇談会を設置し、日本で遅れている農薬に関する試験や評価方法などを欧米と整合性がとれるように改めていくための議論をはじめました(本誌196、199号)。その結果を踏まえ、08年4月から、まず、農薬の薬効・薬害・作物残留性試験を、それまでの公的試験研究施設から、GLP(優良試験所基準)適合機関での試験を可とするいわゆる民間開放を実施しました。
 そして、その第二弾として、作物残留性試験の実施件数をいままでの2例から増やす案が提案され、01月27日〜2月28日まで、パブリックコメント募集が行われました。
 まず、提案内容を紹介します。

★試験事例の見直しなどが提案される
【作物残留試験の試験例数】残留試験は食品の残留基準の設定の根拠となる試験のひとつです。いままで、作物の種類に拘わらず、試験数は2例以上となっていましたが、OECDでは、8例以上ないと統計的解析ができないとしていました。農水省の提案では、農薬業界などの意見を取り入れ、作物の生産量に応じて、2例以上、3例以上、6例以上の三つにランクわけするという提案がなされました。(下表参照)
 試験事例  条件               対象農作物
 6例以上 @生産量が30万トンより多い、   稲、小麦、みかん、かき、なし、
      A3万トンを超え30万トン以下で  りんご、キャベツ、キュウリ、だいこん、
      一日の農産物摂取量が1%を超える   ほうれんそう、レタス、トマト、茶ほか
 3例以上 ・上記@Aで栽培地域に偏りあり   大麦、なつみかん、うめ、キウイ、もも
      ・3万トンを超え30万トン以下で   ぶどう、こまつな、ちんげんさい、かぶ
       一日の農産物摂取量が1%以下    えだまめ、いちご、かぼちゃ、春菊ほか
 2例以上  ・生産量が3万トン以下
【分析方法】添加回収試験の実施方法や精度管理に関する改定が提案されました。
【分析部位】国際的なCODEXの分析部位に準じた提案がなされ、果肉、果皮、芯など部位ごとの分析が要求されます。

★事例増を残留基準緩和につなげるな
 私たちは8件15項目の意見を述べました。
 当グループの意見農水省の見解


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作成:2011-07-26