農薬の毒性・健康被害にもどる

t23701#食品安全委員会が「ヒトの発達障害と農薬に関する情報収集調査」結果を公表#11-05

【参考サイト】食品安全委員会の食品安全確保総合調査
       ヒトの発達障害と農薬に関する情報収集調査仕様書

 4月下旬、食品安全委員会は、2010年度の事業として実施していた「ヒトの発達障害と農薬に関する情報収集調査」結果(請負業者:三菱化学テクノロジーで、全文379頁)を公表しました。

 この調査の目的について、同委員会は次のように述べています。
『有機リン系など神経系に作用する農薬については、動物では観察できない影響がヒトに現れるのではないかとの観点から疫学調査が行われている。本調査は農薬と注意欠陥・多動性障害を含めた発達障害に着目し、有機リン系を中心にカーバメート系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系といった神経系に作用する農薬について、最新の疫学調査について情報収集し整理するとともに、これまで動物実験系では観察できないような神経系への影響を確認することを目的とした適切な動物実験系の有無、さらに神経系に作用する農薬についての諸外国におけるリスク評価及びリスク管理のあり方についても収集し整理する。』
  欧米では、有機リン剤の神経毒性が注目され、近年、増加しつつある子どもの注意欠陥・多動性障害(ADHD)の危険因子として名指しもされ、その使用規制が進んでいますが、日本では、疫学調査は殆ど実施されていません。
 調査報告では、2000年以後の文献がリストアップされ、疫学関係33、動物実験関係14、海外におけるリスク管理措置49、同リスク評価38の抄録が掲載されています。
 今回の食品安全委員会の事業は文献調査にすぎませんが、農薬と子どもの神経系の発達に対する影響についての本格的取り組みにつながればよいと思います。


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作成:2011-05-28