農薬の毒性・健康被害にもどる

農薬危害防止運動:2009年 2010年 2011年

t23801#農薬危害防止運動通知出される〜事故の詳細は別に公表 去年より前進面も#11-06

【関連記事】記事t22601(2010年度)
【参考サイト】農水省:H23年度農薬危害防止運動の実施について
           実施要綱ポスター
           農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について09年度詳細情報

 農水省と厚労省は、毎年、6月から「農薬危害防止運動」を実施しています。それに合わせて私たちも、毎年、その年の危害防止に取り入れる項目をあげて要望しています。今年は、3月31日に要望と質問(6月8日の追加質問)を提出しました。  できるだけ早く通知を出して、都道府県や市町村に周知してほしいとの要望も入っていましたが、例年のごとくぎりぎりの5月27日付の通知でした。しかし、通知とは別に私たちが毎年要望してきた事故に関する詳細報告(記事t23802参照)を農水省のホームページの中の「農薬コーナー」に出すなど前進も見られました。
 以下、今年の農薬危害防止運動の通知の新しい面を紹介します。

★環境省も発出者になった
 例年、この通知は農水省消費・安全局長と厚労省医薬食品局長が連名で出していましたが、今年は環境省水・大気環境局長が加わり、3省の局長の連名通知になりました。環境省は通知「住宅地等における農薬使用について」を農水省と連名で出していますし、昨年は単独で「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」を出しています。こうしたことが今回、連名に参加した理由でしょう。都道府県の環境省関係の部局にも直接届き、運動に力を与えるものと期待しています。
 実施要綱については、全体的に内容に大きな違いはありませんが、文章を整理したり、見出しを付けるなど、読みやすくなるように努力しているのがみえます。

★無人ヘリに関しては大幅手直し
@第5 実施事項(8)航空防除における農薬使用に当たっての留意事項の周知徹底」の部分で、「実施主体」を「有人及び無人ヘリコプターを用いて農薬を散布する農薬使用者等」に変更した。
A「毒性の強い農薬等は極力使用しないこととし」を削除している。
B以下のように全面改稿した。
 「イ 特に、近年利用が増加している無人ヘリコプターによる農薬散布について、安全対策を強化・徹底し、事故防止を図る。
 具体的には、無人ヘリコプターを用いて農薬を散布する農薬使用者等に対し、架線等の危険箇所の把握、操作要員及び補助員の配置、飛行方法の選定について、実施計画策定時及び散布実施時において十分に検討・確認し、安全かつ適正に実施するよう指導する。万が一、事故等が発生した場合には、関係通知等に基づき適切に対応するよう農薬使用者等に対し、周知を徹底する。

★農薬の保管管理の項を拡充
 「適切な保管管理の徹底」の項を「農薬の保管管理及び適正処理に関する指導の徹底」として、指導強化すべき点を挙げた。
  ア 農薬による危害や悪用を防止するため、施錠のされた場所に保管する等、
    保管管理を徹底するよう指導する。また、D−D(1、3−ジクロロプロペン)
    が、毒物及び劇物取締法における劇物に指定されたことに伴い、これらを
    含有する農薬を保管する場合は、関係法令を遵守するよう指導する。
  イ 農薬の誤飲による中毒事故の発生を防止するため、農薬やその希釈液、
    残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないよう指導する。
    万が一、飲食品の空容器を利用せざるを得ない場合には、必ず商品のラベル
    をはがし、内容物が農薬であることを明記するなど、誤飲を防止するための
    適切な対応策を講ずるよう指導する。
  ウ 使用しなくなった農薬については、農薬使用者等に対し、関係法令を遵守し、
    廃棄物処理業者へ依頼するなど適正に処理するよう指導する。
★農薬の適正販売についての指導等
 @新規書き加え部分
 「D−D(1、3−ジクロロプロペン)が毒物及び劇物取締法における劇物に指定されたことに伴い、これらを含有する農薬の販売に当たっては、関係法令を遵守するよう指導する。」が加えられた。

★別記 農薬による事故の主な原因及びその防止のための注意事項
 昨年までの「農薬による事故の主な原因及びその防止のための注意事項」は、箇条書きであったが、小見出しをつけた上、農薬撒布前、農薬撒布中、農薬散布後にわけ、それぞれについて原因と防止対策の内容が再編された。 −以下省略−

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作成:2011-06-26