農薬の毒性・健康被害にもどる

t23902#農薬危害防止運動に関する質問・要望への回答〜「普通物」といわないようにすると#11-07
【関連記事】2011年要望記事t23801記事t238022011年度危害防止運動
【参考サイト】農水省:H23年度農薬危害防止運動の実施について実施要綱

 先月から、H23年度農薬危害防止運動が始まっていますが、同運動に関して、私たちが3月末に出した質問・要望に対して、農水省と厚労省から、6月16日付けで回答が来ました。そのいくつかを紹介します。
Q1:東日本大震災で、有人ヘリコプター及び無人ヘリコプターの損傷などについて
A1:農薬散布にも使用する有人ヘリコプターに被害を受けた航空会社があり、
   当該会社は本年度の農薬散布は実施しないと聞いている。
   無人ヘリコプターへの被害が生じていることは知っているが、修理や部品調達
   への支障については報告がない。

Q2:残留農薬基準違反や農薬取締法違反で、行政指導や刑事罰を受けた事例の件数は?
A2:指導については都道府県が実施しており、件数は、国として取りまとめていない。

Q3:非植栽用除草剤について、農薬取締法違反事例の調査は?
A3:09年度は1478個所で販売状況を点検した。農薬として使用できない旨の表示
   について、容器又は包装にないものはなかったが、陳列棚に表示がないところ
   が352個所あった。

Q4:ミツバチの農薬被害件数
A4:09年度は5件、10年度は現時点までに被害報告は受けていない。

Q5:農薬使用者の農薬による健康被害の実態調査と家庭での事故防止について
A5:農村医学会等で実施している調査・研究等の情報収集に努め、必要に応じて、
   農薬による農薬使用者等の健康被害の原因解明のための調査等を行うこととしている。
    家庭で使用される農薬は、ホームセンター等の販売店に対して、園芸コーナー等に
      おいて農薬の安全かつ適正な使用に関する啓発ポスターの掲示などの取組強化をお
      願いしている。

Q6:過去に埋設されたPOPs系農薬(BHC、DDTほか)及び2,4,5-Tについて
A6:11年3月現在、POPs系農薬については、92箇所においては、関係県等が、土壌調査、
   水質調査等を実施しつつ、周辺環境が汚染されないよう適切に管理している。
   国有林に埋設された2,4,5-Tについては、平成22年度の点検においては特段異常は
   認められていない。 
【農水省資料】平成23年2月現在における埋設農薬の管理及び処理の状況H20年調査

Q7:農薬製造場等への立ち入り検査の件数と結果について
A7:2009年度76箇所、2010年度は77箇所の製造者等への立ち入り検査を実施したが、
   農薬取締法違反事例はない。

Q8:廃農薬の回収について
A8:農家が有する廃農薬等は産業廃棄物に該当し、事業者の責務として自らの責任で
   処理することとされている。
   市町村又は農協が回収の取り組みを行っている例もあると聞いているが、実施主体、
   実施回数、回収数量は把握していない。

Q9:農薬販売者について
A9:販売者の届出は、都道府県知事に届け出ることになっており、販売者への
   立ち入り検査は都道府県において実施されているが、その実施件数は把握し
   ていない。

Q10:毒劇指定のない農薬を「普通物」と呼称することをやめるべき
A10:「普通物」との呼称は、安全だとの誤解が生ずる恐れがあるため、
   このような呼称を用いないよう、留意したいと考えている。

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作成:2011-07-26