農薬の毒性・健康被害にもどる
t24107#8月の農薬危被害〜有人ヘリ事故、クロピク事故、残留基準違反#11-09
★鹿児島で空中散布へり不時着事故
8月23日、鹿児島県鹿屋市で、西日本空輸所有の有人ヘリコプターAS350が、約10mの高さの電柱の固定ワイヤーに触れ、集会施設近くの広場に不時着しました。水田の農薬散布中だったとのことです。現場には住宅が点在しており、もっとも近い住宅までの距離は約50mでした(NHK、鹿児島テレビほかの報道より)。
空中散布で最も多いのは架線接触事故で、今回、機体損傷が軽微のため、操縦不能にならなかったのが不幸中の幸いでした。
★浜松市ではクロピク事故
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【参考サイト】クロルピクリン工業会
8月29日、静岡県浜松市でクロルピクリン漏洩事故が起こりました。ビニルハウスの解体作業中に、同剤をいれたペール缶を誤って、破損したためで、作業員2人と付近の住民2人が目の痛みを訴え、救急搬送されましたが、いずれも軽症だったということです。
クロルピクリン製剤は前号で工場漏洩事故報告をした南海化学製の「南海クロールピクリン」でした。ビニルハウスなどに、劇物のクロルピクリンを保管することは毒劇法違反ですが、今回の件で、県は『浜松市保健所が土地所有者より報告書を徴収の上、再発防止の徹底を指導しており、今後再発の恐れも少ないことから、告発することは考えておりません。』とのことでした。また、9月6日付で、経済産業部農山村共生課長名で、静岡県農業協同組合中央会などへ「農薬の適正な保管・管理の徹底について」の通知を出しています。
★残留農薬違反も
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【参考サイト】農水省:不適切な製造方法による古畳再製稲わらの製造等の禁止について
横浜市:牛肉にBHC(8/16)、同(8/18)
北海道のJA美幌町:Top Pageとお詫びとお知らせ
山形県:リンゴにアセフェート
8月12日、長野県のJA塩尻市は、神戸市西衛生監視事務所の収去検査の結果、同農協内で生産されたスイートコーンにダイアジノンが0.10ppm(残留基準0.02ppm)検出され、自主回収する旨、発表しました。汚染原因は不明とのことです。
8月16日、横浜市保健所が、市内食肉業者が保管中であった、福島県産の牛肉を、厚労省からの指示で調査したところ、BHCが0.03ppm(残留基準0.01)検出され、回収されることになりました。また、8月18日には、藤沢市の業者保管の牛肉にもBHCが0.05ppm検出されました。汚染原因は、古畳再生稲ワラを給与された可能性があるとのことです。
農水省は、10年11月に通知「不適切な製造方法による古畳再製稲わらの製造等の禁止について」を発出していますが、東京都によるとBHC汚染の疑いのある牛が都内で27頭と殺され、一部がすでに流通しているとのことです。
8月24日、北海道のJA美幌町が、出荷したニンジンを自主検査した結果、アセフェートが残留基準の0.01ppmを超える0.19ppm検出され、回収する旨、発表されました。同農協によれば、隣接畑で使用した農薬のドリフトが原因としています。
9月1日、山形県は、川崎市衛生研究所の収去検査の結果、鶴岡市の農家が出荷したリンゴにアセフェートが0.05ppm検出され(残留基準0.01ppm)、販売業者に自主回収を指導した旨、発表しました。隣接のカキ園からの飛散が原因とみられています。
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作成:2011-11-25