農薬の毒性・健康被害にもどる

t24303#農水省が農薬の「普通物」呼称で関係団体等へ連絡〜毒性がないとの誤解を防ぐため、なるべく用いないようにと#11-11
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 このところ、農薬の「普通物」という呼称についての問題を取り上げていますが、すでに、農薬関係団体と農水省に要望を出しています。今号ではその内容と農水省が関係団体等に出した連絡について報告します。

 農水省農薬対策室によると、8月18日、課長補佐名で、以下の関係団体に連絡したとのことです。(独)農林水産消費安全技術センター農薬検査部、(社)日本植物防疫協会、(社)農林水産航空協会、(財)日本植物調節剤研究協会、(社)日本くん蒸技術協会、農薬工業会、全国農薬協同組合、(社)緑の安全推進協会、全国農業協同組合連合会肥料農薬部。その内容は、
  「今般、反農薬東京グループより、毒劇物に当たらない農薬に「普通物」の呼称を
 用いることは当該農薬に毒性がないという印象を与えるので使用しないこと、またその
 旨を関係部局・団体等へ指導すること等について、農林水産省、環境省及び厚生労働省
 宛に要望がありました。
  毒物及び劇物取締法を所管する厚生労働省は、要望に対し、「『普通物』という呼称
 は安全だとの誤解が生じる恐れがあるため、このような呼称を用いないような留意が必
 要」と考えている旨を回答しています。また、厚生労働省では、今後、なるべく「普通
 物」の呼称を用いないようにし、この呼称を用いる場合は、注釈を付すなどの対応を取
 ることと聞いております。
  農林水産省としても、厚生労働省の見解及び対応を踏まえ、「今後は毒物・劇物に該
 当しない農薬を『普通物』と称することによって当該農薬に毒性がないとの誤解を生ず
 ることのないよう十分に留意」する旨を回答し、以下の具体的対応を取ることとしてお
 りますので、これを参考に適切にご対応いただけますようよろしくお願い申し上げます。
  1.今後、資料等の作成にあたっては、なるべく「普通物」の呼称を用いないように
   し、この呼 称を用いる場合は、注釈(「毒劇物に該当しないものを指していう通
   称」など)を付す。
  2.既存資料等の訂正は行わないが、ホームページの中で現時点の資料として掲載さ
   れているものに「普通物」の呼称が使用されている場合は、注釈を付す等の対応を
   する。
  3.刊行物の監修に当たっては、「普通物」の呼称を用いる必要がある場合には、注
   釈を付すなどの対応を求める。」
 8月19日には、同じような内容で、農政局等に対し、農林水産省の回答と対応を各都道府県農政部局に知らせるよう連絡したとのことですが、これはおそらく当グループが都道府県に出した要望に対し、農薬対策室への質問が殺到したためでしょう。
 一歩前進とは言えますが「連絡」などではなく、もっと強制力のある通知にしてほしかったと思います。

 農水省の連絡を踏まえた農薬工業会からの回答には、『1)使用者の目に触れる資料で「普通物」との呼称を使用する場合は「毒劇物に該当しないものを指していう通称」等の注釈を付す。  2)毒物、劇物に該当する製品の適正管理を推進する本来の目的を逸脱した使用をしない。』とありました。 (社)日本植物防疫協会全国農薬協同組合(社)緑の安全推進協会全国農業協同組合連合会肥料農薬部からも農水省指導に沿う旨の回答が来ています。


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作成:2011-11-25