食品汚染・残留農薬にもどる

t24501#ネオニコチノイド系農薬イミダクロプリドの残留基準緩和〜メーカーの言うがまま土壌混和でホウレンソウ2.5ppmを15ppmに#12-01
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【参考サイト】厚労省:12月27日残留基準改定通知
         パブコメ募集(11/05/24)と資料
       当グループのパブリックコメント意見厚労省の見解
       日本食品化学研究振興財団HPにあるイミダクロプリドの残留基準

 12月27日の官報で7農薬の残留基準の改定が告示されました。特に問題なのは、ネオニコチノイド系のイミダクロプリドで、厚労省が昨年6月に基準案を示し、パブリックコメント意見を募集しました。
 同剤はミツバチ大量死の一因として知られているだけなく、ヒトの神経伝達系にも影響を与える恐れがあるため、私たちは、米と残留基準が2ppm以上に設定された50食品について、基準の見直しを求めましたが(記事t23806参照)、意見は無視されました。
 基準改定と同日に、農水省は、イミダクロプリド1%含有の製剤アドマイヤー1粒剤(メーカーはバイエルクロップサイエンスとクミアイ化学)の登録事項の変更を公表し、この剤を、ホウレンソウのアブラムシ対策として、畑の土に混和処理するという新たな使用方法を登録しました。残留試験成績では、土壌処理1回とイミダクロプリド水和剤を2回散布すると、最大残留値8.68ppmとなることが報告されています。粒剤使用がなければ、最大残留値0.2ppm以下となり、ホウレンソウの従来基準2.5ppmを下げられますが、農水省はメーカーの言い分通り、残留量が増大するような使用法を是認したのです。
 一方、食品からのTMDI(理論最大摂取量)がADI(一日摂取許容量)の80%以下なら問題ないとのADI至上主義の立場をとる厚労省は、私たちが、小児のTMDIがADIの77.5%になることを挙げて批判すると『TMDI方式による摂取量は、―中略―実態に比べかなり農薬の摂取量は過大評価されることになります。』との見解を示すだけで、すんなり基準緩和がなされました。
 私たちは、当該製剤をホウレンソウに使用しないよう、求めていかねばなりません。

■当グループの質問と要望
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作成:2012-01-24