農薬の毒性・健康被害にもどる
t24708#農薬蚊帳はいらない サパ(SUPA)=西アフリカの人達を支援する会などが、ペルメトリンの毒性で新知見について講演会#12-03
【参考サイト】サパのHPと2・19講演会案内、外務省への要望
住友化学:オリセットネット、アフリカ支援の頁
オリセット蚊帳関連ニュースリリース:
10/01/18、10/09/22、10/11/10、11/05/16、
11/08/26、11/10/06、11/12/22、12/05/16、12/06/22、12/0711
2月19日、東京渋谷で「合成ピレスロイド系農薬の毒性についての講演会」が開催されました。サパ、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、反農薬東京グループの共催でした。
中心になって準備したサパは1998年に西アフリカに住む人達の貧困解消を目的に設立されました。特に、マラリア対策として、WHOなども推奨している殺虫剤含有蚊帳(住友化学製オリセット蚊帳。記事t14706参照)に反対し、農薬入りでない蚊帳の普及に努めています(記事t17809参照)。
オリセットは、ピレスロイド系殺虫剤のペルメトリンをポリエチレン糸に2%練り込んだ蚊帳で、中に入ろうとする蚊が4mmの編み目に止まった時、薬剤に触れて、殺虫効果が現れる。洗濯可能で、数年間使用できると宣伝されています。
アフリカではこの蚊帳を身体にまとったり、小さな子どもがなめるなど非常に危険な使い方がされているということで、環境ホルモン作用の出現が懸念されていました。
昨年、ペルメトリンの新たな毒性試験結果が、論文発表されたのを契機に、研究グループの一人である曽根さんの講演が企画されました。
★ピレスロイド耐性蚊の出現
【参考サイト】元国際基督教大学教授の田坂興亜さん:
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議のニュースレター第57号 のp13
講演会は、元国際基督教大学教授の田坂興亜さんが「マラリア対策の予防蚊帳に農薬はいらない」と題して、マラリア多発地域の状況を説明しました。最近ではピレスロイド系殺虫剤の耐性蚊が出現し、WHOも気にしており、マラリア対策は普通の蚊帳を普及させることが大事だとしました。
★胎仔期の脳血管形成を阻害
【参考サイト】国立環境研究所/環境リスクセンター
主任研究員曽根秀子さんほかのペルメトリン毒性研究
Environmental Toxicology(online: 24 AUG 2011)
国立環境研究所/環境リスクセンター主任研究員の曽根秀子さんが、「胎児期曝露による環境化学物質の影響評価に関する研究-脳血管形成を指標にして」の講演を行いました。「発達期の脳は成長を続けており、それに伴って血管も伸長や分岐を繰り返している、このような時期に化学物質に曝露されると、血管の発達異常により、脳の成長阻害や中枢機能の異常が引き起こされる可能性がある」との認識の下で、神経毒性を有するペルメトリンによる研究が行われました。論文によると、
1、妊娠10日目のマウスにペルメトリンを経口投与した結果、胎仔マウスの脳血管の長
さが短くなったり、ちいさな分岐数がふえたりした。また、中脳の皮質や海馬の厚
さに影響を与えた。
2、8 週齢および12 週齢の雄仔の行動解析では、探索行動や自発行動に関する指標数
値の低下がみとめられたが、雌仔への影響はすくなかった。とのことです。
参加者からの発言では、「血管形成に影響を与えるということは非常に重大なことだ。今後の研究に期待する」「具体的な症状としてはどういうことが現れるのか」「農薬蚊帳の環境への影響も調査しなければならないのではないか」などの意見が出されました。
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作成:2012-06-26