食品汚染・残留農薬にもどる

t25406#農薬まみれの種ニンニクのその後〜農水省 生産者は特定できずと回答#12-10
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 前号で、種ニンニクの問題をとりあげました。網の袋の種ニンニクにベノミルの粉剤をまぶして、そのまま売っていた事例です。この例はあまりにもあからさまに農薬を使用していたため、さすがに農水省も農薬が使用された種苗の取り扱いについて周知を徹底すると回答してきました。
 その内容が不十分だったため、再質問をしました。その回答の要点を以下に紹介します。(「」内は農水省回答)

★販売店に立入調査
 農水省の回答では、「指定種苗の検査は、農林水産省から指示を受けた(独)種苗管理センターが実施しています。
 種苗の表示は、主に種苗の生産・卸売を担う種苗会社が行っており、農協、園芸店、スーパーマーケットなどの小売の種苗業者の多くはこれを仕入れて販売しています。そのため、種苗の取扱い量の多い生産・卸売の種苗会社を重点的に対象とすることで、流通量の大部分を検査できる体制をとっています。」
「平成23年度はこのような種苗業者167社を対象に16,489点を検査しました。その結果、種苗業者8社において54点(0.3%)の不完全表示が確認され、適正な表示を行うよう是正及び再発防止に向けた指導が行いました。」などと、なっています。
 また、「泣tァミリーマートさとうの本店に対しては、種ニンニクを販売した大間店への立入、本社へも、種苗法に基づく指定種苗の表示について指導を行っています。」とのことでした。
 国による同法に基づく立入検査は、青森県では直近で平成21年に3件行ったのみで、検査頻度の低さが問題です。

★生産者は特定できず
 種苗法違反の種ニンニクについて、「供給元の卸売市場に販売を委託した種苗の生産者については、今回の調査では特定できなかったものの、再発防止のため、受託した卸売市場に対し種苗法に基づく指定種苗の表示について周知を行っています。」との答えがありましたが、供給元の種苗業者は市場にある販売記録をたどれば特定できるにもかかわらず、これをしておらず、国の調査は不十分なままです。

★処理された種苗は約900トン輸入
輸入される種苗について、農水省は「貿易統計によると、豆類などについてコーティングなどの種子処理の施された種苗の輸入量は約900トンとなっています。一方、野菜、花などの種苗については、種子処理されたものを区分した統計は存在せず、よって処理された種苗の数量は不明です。」
 「国内で販売する場合は、種苗法に基づき、処理農薬の表示義務が課せられます。したがって、輸入種子についても既に国内から連絡するよう指導を行っています。」
などとしていますが、野菜や花の種苗は輸入統計すら分からないというのは問題です。
 国内に輸入される種苗は、すべて、国別、処理農薬別に、個々の数量を調べ、統計値を開示すべきでしょう。
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作成:2012-12-26