環境汚染にもどる

t25704#ゴルフ場使用農薬の水系調査農水、環境の発表は不十分#13-01
★農水省:農薬使用計画を提出したゴルフ場名と所在のみ公表
【参考サイト】農水省:ゴルフ場において使用が計画されている農薬について提出状況(H24年度)
           ゴルフ場における農薬使用計画書作成・提出に当たっての留意事項
 農薬取締法に基づく「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」には住宅地等での農薬使用については、なんら罰則はありませんが、ゴルフ場での使用については、第5条で、毎年、農薬使用計画書を農水省大臣に提出することが義務づけられており、違反者には罰則が科せられます。提出内容は農薬商品名/有効成分名/種類/使用方法/使用対象と簡単なものです。
 今年度から、農水省は計画書を提出したゴルフ場名を公表することになり、9月に、12年第一四半期のとりまとめ結果、該当する2330箇所のゴルフ場の名と所在のみをHPに掲載しました。使用農薬名も公表すべきです。

★環境省のゴルフ場使用農薬水系調査
【参考サイト】環境省:ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る水質調査結果2011年度調査結果2010年度調査結果

 環境省は、1991年に、ゴルフ場使用農薬の指導指針値を設定して以来、排水や水路、河川等水系の農薬汚染を調べるよう、ゴルフ場を指導してきました。対象農薬は当初の21農薬から、2001年45農薬、2011年75農薬となり、指針値も見直されました(記事t22903記事t23103参照)。
    調査を実施したゴルフ場の数は、09年635、10年563、2011年546個所と毎年減少しています。表−省略−には、2010年と11年の調査より、排水の検査で検出された農薬38種と最大検出値を示しました。両年とも指針値を超えた事例はありませんが、1998年に登録失効したテルブカルブが、まだ検出されています。

★埼玉県鳩山町の住民グループの活動
【関連記事】記事t21206記事t22607
【参考サイト】鳩山のせせらぎはとやま環境フォーラム

 国の調査や報告は、内容が希薄で、マンネリ化しているため、自治体によっては、独自の指導要綱などにより、ゴルフ場内のどのような場所に、何月に、どのような農薬をどの程度使用するかの計画書の提出を求めているところもあります。
 また、埼玉県鳩山町のように、住民が、より詳細な分析結果を求めているところもあります。同町の環境保護団体「はとやま環境フォーラム」は、町が年2回の調査を1回にするという方針をだしたことを踏まえ、8月に、「町内ゴルフ場提出の農薬使用状況報告書について」の要望書を町に提出し、@町内の5ゴルフ場の農薬の水分析結果などは、年度末明けでなく、速やかに提出する。Aゴルフ場が町に提出している水系分析結果を検量線データ等の関連資料をつけて提出する。B住民からの要請により、町独自の緊急採水分析を行えるようにする、などを求めました。
 9月20日付けの、町からの回答要点は、@年度末ではなく、分析結果が出次第、町に提出することになったこと。A「農薬成分流出状況の検査報告書」には、そのバックデータとなる「検量線」を添えてもらうことになったこと。B町独自の緊急採水分析の費用は計上していないが、場合によっては、予備費より臨時的に対応することも必要であることなどで、これを足掛かりに、さらに薬害不安の解消につながるような改善策を提案していくそうです。

環境省パブコメ募集中(13/03/22〜04/22。対象農薬と指導指針値大幅見直し)
ゴルフ場で使用される農薬の水質汚濁の防止に係る暫定指導指針の改正(案)に対する意見の募集について
  反農薬東京グループのパブコメ意見環境省の見解

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作成:2013-04-03