食品汚染・残留農薬にもどる

t26504#展着剤と間違えてナスに除草剤使用〜全農岡山県本部が3600キロ回収図る#13-09
【参考サイト】全農岡山:Top Page
       JAへの質問

 7月中旬、岡山県高梁市の農家が間違えてナスに除草剤をかけたものを出荷し、JAが回収をしているという報道がありました。なぜ、ナスに除草剤をかけたのか理解できなかったので、回収をしているJA全農おかやまに聞きました。
 7月31日に届いた同JAの回答をまとめると以下のようです。

使用農薬:殺虫剤ダントツ(クロチアニジン)2000倍希釈30?を3aに散布するとき、
   展着剤と間違えて、三共アグロ 草枯らしMIC(登録番号22449号)使用した。

ナスの品種:筑陽ナスで出荷数量は66キロ。

誤使用が明らかになった経緯:7月16日、県とJAの担当者が巡回しているとき、ほ場で
   枯れかけたナスを見つけ、生産者に確認して誤使用が明らかになった。当該ナス
   は全農岡山県本部の施設で他の生産者・産地・JAのナスと共同選別・袋詰めを
   行っているため、小売り段階で当該生産者のナスの特定が困難であった。そのた
   め、当該ナスが混入した恐れのある3676キロ全量について、自主回収を行うこと
   になった。
   全農岡山県本部から販売者に対し、16日夜から17日朝にかけて販売の中止、商品
   の回収を依頼した。
   実際に使用農薬を誤っていたのかの確認、誤使用されていた場合の健康被害の恐
   れの確認のため、当該生産者のナスを検査機関に自主検査を依頼した。
残留農薬検査結果:誤使用された除草剤の主成分であるグリホサートの残留が0.3ppmで
   あることが24日に判明。グリホサートの残留基準値は0.2ppmであるため、基準値
   超過となるが、ADIからみて現実的に健康に影響はほぼないと考えられる数値
   であった。

回収状況:店頭に陳列された商品の大半と流通段階にあった商品は17日夕刻までに隔離
   されたことが確認された。18日には、販売先に謝罪すると共に、小売り段階にお
   ける店頭告知をお願いし、一部残っていると見られる店頭の商品も撤去、隔離さ
   れた。最終的に出荷総量3673kgのうち、2546kgを回収した。

原因:生産者が展着剤と除草剤を誤って使用したため。JAでは部会を通じ、農薬の適
   正使用の研修会を実施していたが、当該生産者は誤って農薬を取り違えた模様で
   ある。

再発防止策:研修会、講習会の開催により、生産者に適正な農薬使用を啓発することや、
   定期的な栽培管理日誌の提出による農薬の使用状況の確認、残留農薬の検査など
   を行うこととしている。また、農薬ご使用があった場合、販売先を特定できるよ
   う流通体系を見直す。
 以上が回答のおおまかな内容です。関係者は、素早く回収に動いたようですが、そもそも、展着剤とグリホサートの製剤容器を間違えたという信じられないことが原因とは、驚きです。また、ネオニコチノイド系のダントツが収穫前日まで、使用可で、残留基準が1ppmであることも問題です。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:2013-10-25