使用農薬:殺虫剤ダントツ(クロチアニジン)2000倍希釈30?を3aに散布するとき、
展着剤と間違えて、三共アグロ 草枯らしMIC(登録番号22449号)使用した。
ナスの品種:筑陽ナスで出荷数量は66キロ。
誤使用が明らかになった経緯:7月16日、県とJAの担当者が巡回しているとき、ほ場で
枯れかけたナスを見つけ、生産者に確認して誤使用が明らかになった。当該ナス
は全農岡山県本部の施設で他の生産者・産地・JAのナスと共同選別・袋詰めを
行っているため、小売り段階で当該生産者のナスの特定が困難であった。そのた
め、当該ナスが混入した恐れのある3676キロ全量について、自主回収を行うこと
になった。
全農岡山県本部から販売者に対し、16日夜から17日朝にかけて販売の中止、商品
の回収を依頼した。
実際に使用農薬を誤っていたのかの確認、誤使用されていた場合の健康被害の恐
れの確認のため、当該生産者のナスを検査機関に自主検査を依頼した。
残留農薬検査結果:誤使用された除草剤の主成分であるグリホサートの残留が0.3ppmで
あることが24日に判明。グリホサートの残留基準値は0.2ppmであるため、基準値
超過となるが、ADIからみて現実的に健康に影響はほぼないと考えられる数値
であった。
回収状況:店頭に陳列された商品の大半と流通段階にあった商品は17日夕刻までに隔離
されたことが確認された。18日には、販売先に謝罪すると共に、小売り段階にお
ける店頭告知をお願いし、一部残っていると見られる店頭の商品も撤去、隔離さ
れた。最終的に出荷総量3673kgのうち、2546kgを回収した。
原因:生産者が展着剤と除草剤を誤って使用したため。JAでは部会を通じ、農薬の適
正使用の研修会を実施していたが、当該生産者は誤って農薬を取り違えた模様で
ある。
再発防止策:研修会、講習会の開催により、生産者に適正な農薬使用を啓発することや、
定期的な栽培管理日誌の提出による農薬の使用状況の確認、残留農薬の検査など
を行うこととしている。また、農薬ご使用があった場合、販売先を特定できるよ
う流通体系を見直す。
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