残留農薬・食品汚染にもどる

t26605#残留農薬違反事例〜毒・劇物指定のある成分の使用が目立つ#13-10
【関連記事】t25905記事t26304

 今年の5月から9月にかけて、記事t26504で紹介した全農岡山のナス農取法違反のほかにいくつかの残留基準違反が発覚しています。

★宮城県産のコマツナからイソキサチオン12.35ppm
【参考サイト】山形県:プレスリリース(5/17)

 5月の山形県衛生研究所の収去検査で、宮城県仙台市の農家が生産したコマツナからイソキサチオン12.35ppm(残留基準0.1ppm)とテブフェンピラド 0.045ppm(一律基準 0.01ppm)が検出されました。
 有機リン剤のイソキサチオンの残留量は、異常に高く、山形県は、『今回の検出値は 12.35ppmであり、当該食品を毎日約 14.5g ずつ毎日一生涯食べると健康に影響が出る可能性がある濃度です。摂取後のヒトの急性影響については不明ですが、摂取後に体調不良等が認められた場合は医療機関を受診し、医師にご相談ください。 』と注意喚起しています。
 両成分とも劇物指定があり、コマツナに適用外の殺虫剤で、生産者がなぜ、使用したか不明です。
 同じ月には、千葉県JAちばみどりから出荷された、旭市の農家生産のシュンギクから、除草剤アトラジンが0.07ppm検出(残留基準0.02ppm)されました。静岡市保健所の収去検査によるもので、回収が指示されましたが、汚染原因は不明です。

★8月には、違反3例〜オキサミル、アラクロール、フェントエート検出
【参考サイト】・全農長野
       ・JA佐久浅間回収とお詫び
       ・青森市のニュースリリース(8/16)JA青森あすなろ自主回収

 8月に発覚した3事例では、長野県南佐久郡のJA川上物産が出荷したハクサイに、オキサミル0.11ppm(一律基準0.01ppm)が、福岡県保健環境研究所により検出されました。ハクサイに適用のない劇物指定の粒剤を土壌混和したのが原因でした。
 また、同県JA佐久浅間出荷のミニセルリーから、大阪府公衆衛生研究所の検査で、除草剤アラクロールが0.12ppm(一律基準0.01ppm)検出されました。キャベツ圃場に当該農薬を散布した後、散布器具を十分洗浄しないまま、ミニセルリーに殺菌・殺虫剤を散布したためでした。
 青森市の収去検査で、JA青森あすなろ直売センターの会の1農家が出荷したピーマンから、有機リン系で劇物指定のフェントエートが0.79ppm(残留基準0.1ppm)が検出されました。直売施設での自主回収と、販売自粛の措置がとられました。

★毒物EPN残留事例2件
【参考サイト】・JAさいたまお詫び
       ・JA四万十

 9月には、有機リン剤EPNが検出された事例が2件ありました。
 埼玉県JAさいたま管内の生産者が出荷したナスに0.02ppm(一律基準0.01ppm)が、高知県JA四万十管内の生産者が出荷した青玉ユズに0.09ppm(一律基準0.01ppm)が検出されました。
 毒物指定のEPNはナスやユズには適用がなく、使用は農薬取締法違反です。

★玉川学園販売のはちみつ回収
【参考サイト】東京都の食品自主回収情報(9/19)
       学校法人玉川学園:Top Page玉川大学ミツバチ科学研究センター
       玉川学園購買部のお知らせ

 東京都町田市の学校法人玉川学園には「玉川大学ミツバチ科学研究センター」があることで知られていますが、同学園購買部販売の蜂蜜商品「たまがわはちみつ有田市ミカン蜜」に、アセタミプリドが0.05ppm(一律基準0.01ppm)検出され、9月20日から自主回収が行なわれています。
 蜜源のミカンに使用されたアセタミプリドが蜂蜜を汚染していたのでしょうか。
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作成:2013-11-29