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t26802a#ネオニコチノイド系農薬スルホキサフロルの登録が目指されている#13-12
【関連記事】記事t25204(トビケラを用いた試験方法)
【参考サイト】環境省:水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値(案)に対する意見の募集について
改定案資料と反農薬東京グループの意見とパブコメ結果
食品安全委員会:Top Page、リスク評価情報にある農薬
アメリカ EPA:Top Page、2013/05/06ニュース、Regulations.govにあるSulfoxaflor; New Active Ingredient
ダウ・アグロサイエンス社:Top PageとDow AgroSciences Receives U.S. EPA Registration for Sulfoxaflor (2013/05/08)
食品安全委員会のパブコメ:
ADIパブコメ募集と農薬評価書案、反農薬東京グループの意見とパブコメ結果
急性参照用量についてのパブコメと反農薬東京グループの意見
環境省は、11月18日、スルホキサフロルの水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準を39,000μg/Lとするとの案を提示し、パブリックコメント意見を求めました。
この農薬は、日本では、まだ、登録用されておらず、その作用機構は『ニコチン性アセチルコリン受容体に作用し殺虫効果を示す。ただし、同じ作用をもつ殺虫剤とは若干異なる作用部位に結合する。』と、されています。
アメリカのダウ・アグロサイエンス社が開発した殺虫剤で、同国では、ミツバチや花粉媒介昆虫の減少を懸念する養蜂家や養蜂団体、環境保護団体の反対にも拘わらず、EPA(アメリカ環境保護庁)は、13年5月に登録しました。スルホキサフロルは、ミツバチ毒性が強く、接触LD50が0.13μg/頭、経口LD50が0.05μg/頭であり、花粉媒介昆虫に対する毒性も懸念されているため、その後、登録撤回等を求める訴訟が起されています。
日本では、現在、水稲や野菜、果実等への農薬登録申請中で、13年6月には、農水省や海外から残留基準設定が求められ、8月には、厚労大臣から食品安全委員会に、健康影響評価の実施を求める文書が出され、12月10日の農薬専門調査会評価第二部会で最初の検討が行われています(第31回会議)。
水産生物の登録保留基準案が出たのは、それより前で、水稲適用に備えてのことでしょう。水産生物の影響試験として、3種の魚類急性毒性試験、ミジンコ急性遊泳阻害試験、藻類成長阻害試験が行われ、そのうち、オオミジンコの48時間半数影響濃度399,000μg/Lを基に、その10分の1の39,000μg/Lが登録保留基準案とされました。
農業環境技術研究所の横山淳史さんが開発したコガタシマトビケラ1齢幼虫を用いた農薬の急性毒性試験では、ネオニコチノイド系農薬は、ミジンコ類より1000倍から10万倍感受性が高いことが明らかになっています(記事t25204参照)。スルホキサフロルにおいても、日本の自然環境に適合したトビケラの試験の実施が必要です。
今後、この農薬の毒性試験成績やADI評価、残留基準設定に、目を光らせていかねばなりません。
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作成:2013-12-27、更新:2014-05-18