6:食品汚染・残留農薬にもどる
t27305#あいた口が塞がらない〜厚労省のフードファクターのいい加減さ#14-05
【参考サイト】厚労省;薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会資料(2月20日)にある
食品摂取量切り替え、農産物摂取量、畜水産物摂取量、 旧フードファクター
国民がどのような食品をどの程度食べるかという数値=フードファクターは、厚労省が残留基準の設定する際に、農薬のTMDI(理論最大一日摂取量)をADIと比較し、安全の根拠とする重要な数値ですが、いままでは、平成10年〜12年の国民栄養調査結果より得られ、10年以上前のものが長らく使用されてきました。昨年、厚労省に最近の数値にすべきではないかと意見を述べましたが、13年度中に変更するとの情報を得ていました。
そのフードファクター改定が、2月の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会で「暴露評価に用いる食品摂取量の切り替えについて」として公表され、今後のTMDI算出には、新数値を使うとのことです。
★いままでの数値は11月の一日のデータ
ところで、「暴露評価に用いる食品摂取量の切り替えについて」という文書をみて、驚きました。『現在、使用している摂取量は平成10〜12 年の11 月の調査(特定の1 日×3 年)によるものであり、摂取頻度の低い食品、季節ごとに摂取量が大きく異なる食品については、年間を通じた平均摂取量を適切に反映していない。そのため、今後は委託事業「食品摂取頻度・摂取量調査の特別集計業務」における平成17〜19 年度(4 季節×3 日間)の摂取量集計結果(以下、「新摂取量」という。)を新たに暴露評価に用いることとする。』と書いてあるのです。
えっ!? いままでの数値は、国民が年間どの程度の食品を摂取するかの個別データをもとに、算出されていたのではなく、わずか、11月の一日を調べただけのデータだったの。ああ、科学的なデータだと信じていた私たちが馬鹿だったと反省しきりです。とりあえず、各食品のフードファクターの変更で、大きく変わった食品の新旧対照表をあげておきます。
表 フードファクターと平均体重の新旧対照表(単位:g/日/人)
食品名 国民平均 高齢者(65歳以上) 妊婦 小児(1〜6歳)
旧 新 旧 新 旧 新 旧 新
小麦 116.8 59.8 83.4 49.9 123.4 69 82.3 44.3
てんさい 4.5 32.5 4 33.2 3.4 41.1 3.7 27.7
さとうきび 13.4 98.2 12.1 100.2 10.3 124.1 11.3 83.6
みかん 41.6 17.8 42.6 26.2 45.8 0.6 35.4 16.4
平均体重kg 53.3 55.1 54.2 56.1 55.6 58.5 15.8 16.5
★妊婦のみかんの摂取は0.6gてほんと?
上述の4点−@小麦の摂取量がほぼ半減、Aてんさいの摂取量が約10倍増えた、Bさとうきびの摂取量が約10倍増えた、Cみかんの摂取量がほぼ半減し、妊婦の摂取量が激減した理由、を尋ねたところ、
厚労省食品安全部基準審査課からの返事は『新摂取量と旧摂取量の作物における数値の相違が大きい理由は、@〜Bについては、従来より細分化して材料比や重量比を検討し、原料への換算を行ったため、Cについては、秋の1日の摂取量から、四季の摂取量集計に変更したため、と考えられます。』と。みかんはほんとに0.6gなの?
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作成:2014-05-25