ネオニコチノイド系農薬・斑点米関係にもどる

t27603#渋川市 独自の「選別農薬農法」推進ネオニコ、有機リン系農薬は使用しない#14-08
【参考サイト】渋川市:Top Page愛称募集決定渋川市選別農薬農法(愛称:しぶせん)について

 群馬県渋川市は、今年7月に、一部の農薬を使用せず農作物を生産する新たな農法「選別農薬農法」を全国に先駆けて推進すると明らかにしました。
 選別農薬農法とは、市が策定したガイドラインに基づき、環境や健康への影響が懸念される一部の農薬を使用せず栽培する農業生産のやり方で生産された農作物を、市が認証する制度です。
 同市のホームページでは「この農法で生産された農作物は、市が認証し、出荷袋などに認証マークを貼り付けて販売できます。学校給食での利用や市内直売所などでの販売を進め、渋川産の農作物のブランド化を目指します。」とあります。

 早速、渋川市に質問し、回答をいただきました。
 それによると、市は、ジャガイモなど7作物について、ネオニコチノイド系・有機リン系農薬等を抑制する区と慣行区との比較の実証試験を行い、該当する農薬を使用しないで栽培できることを確認したとのことです。
 選別農薬農法では、群馬県農作物病害虫・雑草防除指針で定められている農薬のうち、ネオニコチノイド系農薬すべて、有機リン系農薬すべてに加えて、プリンス剤(フィプロニル)、ウララ剤(フロニカミド)等が使用しない農薬としてあげられています。
 ミツバチを大量死させているのが水田のカメムシ駆除に使用される農薬であることを農水省が認めています。そこで「貴市の新認証制度で、水稲は、対象作物に入っていますか」と聞きました。「水稲、さらにはこれをとう精(精米など)したものも含まれます」という回答でした。となると、カメムシ防除にネオニコ系農薬も、有機リン系農薬も使用しないことが条件になります。

★無人ヘリ空中散布は実施していない
 群馬県では、2006年6月、全国に先駆けて、無人ヘリコプターによる有機リン剤の使用自粛が要請され、その後、無人ヘリコプター散布面積の削減にもつながっています(記事t17803記事t18004記事t27601参照)。無人ヘリ空散については、地上散布より高い位置から、高濃度で、短時間に広い範囲に農薬を散布するため、人の健康や環境・生態系への影響が懸念されるとして、私たちは、反対しています。
 そこで、渋川市の新認証制度では、無人ヘリコプター散布はどうなっていうかを尋ねました。
 渋川市からは、『無人ヘリ散布は実施していない。』との回答がありました。現在、空散がないのは良いのですが、新制度の認証条件に、ぜひ、無人ヘリ散布を行わないないとの文言を盛り込んで、全国へ向けて、発信してもらえれば、いうことなしです。
 生協や農協単位で一部の農薬を使用しないところはいくつかありますが、行政単位で積極的にネオニコチノイド系農薬などを使用しない農産物を認証するという方針を打ち出したのは渋川市が初めてです。
 ともあれ、今年から実施される認証制度、ぜひとも成功してもらいたいと思います。
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作成:2014-10-26