環境汚染にもどる
t27704#第23回環境化学討論会:農薬の水系汚染(その2)埼玉県のネオニコチノイド汚染〜不検出は荒川最上流のみ#14-09
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【参考サイト】日本環境化学会:Top Page
第23回環境化学討論会プログラム(於京都大学):口頭発表とポスター発表
埼玉県環境科学国際センターの大塚さんらは、ネオニコチノイド系農薬の水系汚染について、昨年の東京湾へ流入する6河川9個所での調査(本誌264号参照)に引き続いて、地図に示した埼玉県内35河川の38地点で、2013年4月,8月,10月に採取した河川水の調査を行いました。
★ジノテフとクロチア検出率90%以上
次頁の表に検出率の高い順に、採取月別の検出数/検体数を示しました。
一番高いのは、ジノテフランで94.6〜97.4%、ついで、クロチアニジン92.1〜94.6%、イミダクロプリド81.6〜86.4%でした。これら3つのネオニコチノイドは、全国総出荷量でも、埼玉県出荷量でも、 上位にある農薬です。
次頁の図2−省略−には、各月ごとの農薬別検出値の分布を示しました。
ジノテフランは、年間を通じて、高い検出率で見いだされるだけでなく、検出値も高く、最大値は、4月の250ng/Lで、8月には、170ng/Lを超えたケースが3地点でみられ、10月でも50ng/L超えが3地点ありました。
クロチアニジンの最大値は8月の110ng/Lで、10月にも50ng/L弱で検出された個所が1地点ありました。イミダクロプリドは、4月に最大値56ng/Lが検出され、10月には30ng/L台の汚染個所が2地点ありました。チアメトキサムは60.5〜71.1%、アセタミプリドは60.1〜68.4%の検出率でした。
3回の調査ですべてのネオニコチノイド系殺虫剤が不検出であった地点は,山間部にある荒川の最上流部の1地点だけとのことです。
表 埼玉県内河川等のネオニコチノイド系農薬の検出率
農薬名 検出限界 検出数/検体数 最大検出値* 出荷量(2012年トン)**
ng/L 4月 8月 10月 ng/L 全国 埼玉県
ジノテフラン 0.8 37/38 35/37 37/38 250(4月) 152.125 2.091
クロチアニジン 0.7 35/38 35/37 35/38 110(8月) 66.687 0.922
イミダクロプリド 0.6 32/38 32/37 31/38 56(4月) 64.886 0.864
チアメトキサム 0.6 27/38 33/37 33/38 32(8月) 36.796 0.359
アセタミプリド 0.4 26/38 23/37 23/38 19(10月) 49.64 0.341
チアクロプリド 0.4 3/38 0/37 2/38 1(4月) 15.037 0.090
ニテンピラム 1 1/38 0/37 1/38 6(4月) 7.053 0.398
* グラフよりの読み取り値
** 国立環境研究所の農薬データベースより
図2 2013年の埼玉県ネオニコチノイド河川調査結果 −省略−
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作成:2014-11-28