ネオニコチノイド系農薬にもどる

t27904#三井化学アグロがスタークル粒剤の「玄米にほとんど残留しない」を修正#14-11
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【参考サイト】三井化学アグロ:Top Pageスタークル粒剤(ジノテフラン1%)の技術情報ジノテフランの農薬抄録

  三井化学アグロへの質問と回答

 ミツバチ毒性が強く、斑点米カメムシ防除用殺虫剤でもっとも多く使用されるのは、ネオニコチノイド系のジノテフランです。そのメーカーの三井化学アグロのホームページにあるスタークル粒剤(ジノテフラン1%)の技術情報には 斑点米抑制のメカニズム紹介として、有効成分が根部および水面下の葉鞘部から吸収され、上方移行したものを、カメムシが主に葉身部を吸汁して死亡にいたると説明されています。
 さらに、稲体内で、『玄米にはほとんど残留していません。』として放射性同位元素をもちいて調べた籾殻と玄米のオートラジオグラム(放射線で感光した写真で、生物のどの部分にたまりやすいか確認することが出来る)の図が示されています。

 農水省が生産農家を対象に実施した分析調査では、玄米での残留農薬の検出率が一番高いのは、ジノテフランで検出率63%(検出範囲0.006〜0.15ppm)となっています(記事t27604参照)。HPにある情報は、あたかも、米への残留なしのような印象を受けるため、同社に問合せしました。

★農薬抄録にある試験とは異なる
 私たちは、メーカーの農薬抄録にある同様の試験との違いを質し、『技術情報に、実験条件の記載や製剤をどのように使用したかの説明及びオートラジオグラムの解説がないまま、図を掲載し、<玄米には殆ど残留していません>と記載するのは、コメに残留しないという誤った印象を与えます。
 このような、科学を装った宣伝まがいの図を掲載すべきでないと思いますが、貴 社はどのようにお考えですか』と尋ねたところ、以下のような回答でした。

★メーカーは改訂したが、図はそのまま
 HPに掲載したデータは、登録申請後に、社内で実施した試験で、農薬登録のためのガイドラインに沿った植物代謝試験でないため、農薬抄録に掲載しているデータではないとしたうえ、
『ご指摘の技術情報に記載した資料は、主としてジノテフラン粒剤の作用機構の説明を目的として作成したものです。原則的に弊社の技術資料等の配布物には、「―中略― 記載データ及び評価はあくまでも測定値の代表例であり、全ての事例に当てはまるものではありません」と記載し、指導現場でも留意しております。
しかしながら今回、「誤った印象を与える」とのご指摘をいただきましたので、試験方法について追加記載するとともに、本資料の説明の際には十分配慮するよう周知徹底に努めます。』とのことでした。

 このほど、HPを確認したところ、試験方法が追加され、オートラジオグラムはそのままで、以下の注がついていました。
『※有効成分が玄米に全く移行しないことを示す試験事例ではありません。記載データはあくまでも測定値の代表例であり、全ての事例に当てはまるものではありません。』
 なお、同粒剤のミツバチについての注意事項には、『ミツバチを放飼している地域では使用を避けてください』とあり、農水省が推奨する粒剤も、ミツバチへの影響があることがわかります。
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作成:2014-11-28