農薬の毒性・健康被害にもどる
t28003#農水省発表の2013年度農薬危被害〜人の事故は28件34人#14-12
【関連記事】記事t26904(2012年の報告)
【参考サイト】農水省:H25年度 農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況についてと発生状況推移、詳細情報
農水省は13年度の農薬による中毒や危被害の発生状況を11月28日公表しました。
★農水省 中毒34人うち死亡は4人
人の中毒・死亡事故は、前年10件減少の28件、人数も26人減り34人となりました。このうち、農業現場での事故が11件ありました。死亡事故は2件増えて、4件(いずれも誤用)でした。農作物の被害は前年より4件減の10件、魚類被害は1件減の5件でした。
なお、いままで、この統計に挙げられていたミツバチ被害は、別途調査となりました(記事t27501参照)。
表1 13年度の農薬中毒・危被害件数(農水省公表)
区分 13年 前年件数 被害対象 13年 前年件数 被害対象 13年 前年件数
件数(人数) 増減 件数 増減 件数 増減
死亡 散布中 0( 0) 0 農作物 10 -4 自動車 0 0
誤用 4( 4) +2 家畜 0 0 建築物 1 +1
小計 4( 4) +2 カイコ 0 0 その他 2 +2
中毒 散布中 11(12) -7 魚類 5 -1 小計 3 +3
誤用 13(18) -5 小計 15 -5
小計 24(30) -12 * ミツバチ被害は12年度11件、13年69件
計 28(34) -10
★28例中、誤飲事故が11例
表2には、中毒事例の詳細を挙げました。死亡事故は、服毒3と誤飲1ですが、原因農薬は不明です。農薬の他の容器への移し替えや農薬の飲料や薬等の誤認による中毒事故はあとを絶たず、11件(内1件は死亡)ありました。原因となった農薬成分がわかっているのは、クロルピクリンだけで4件あり、表では、いずれも、農薬使用後の作業管理不良と記載しており、被覆しなかったり、被覆が不完全なため、揮散して周辺住民が被害をうけた事例です(13年9月のごみ処理場での6人の被害も該当するかも知れないが未確認)。
農薬飛散による中毒は4件あり、いずれも周辺住民が被害を受け、うち2例は、無人ヘリコプターによる空中散布で、散布の周知がなされていませんでした。農薬散布者が「マスク、メガネ、服装等装備不十分」原因で中毒となった事例は3件ありました。
13年8月の家庭菜園の作物に農薬を散布し、洗わずに食べた後、吐き気を催したというのはあまりない事例ですが、因果関係ははっきりしないとのことで、使用農薬も不明です。
表2 2013年度の人の農薬事故 (農水省詳細報告資料より作成) −省略−
★人口動態統計では農薬死者367人
厚労省の2012年の人口動態統計では、農薬の用途・種類別死亡人数は右表のようで、有機リン・カーバメート系殺虫剤が135人(11年は150)、除草剤が122人(11年は147)となっています。合計数の減少傾向は継続し、前年の424人より57人減っています(2011年は記事t26102参照)。
農薬の 死亡人数
用途と種類 男 女 合計 前年増減
殺虫剤 リン・カーバ 90 45 135 -15
ハロゲン 2 - 2 + 1
その他 13 9 22 - 6
除草剤・殺菌剤 53 69 122 -25
殺鼠剤 - - - 1
その他 3 4 7 + 2
不明 54 25 79 -13
合計 215 152 367 -57
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作成:2014-12-26